福島第1原発の事故が世界のエネルギー政策に及ぼす影響は大きい。原子力を補填する資源として急浮上しそうなのが天然ガス。近年勃興著しい米シェールガス業界が日本の復興需要を射程にとらえた。 「福島第1原子力発電所の事故によって、原発に対する日本国民の信頼感は地に落ちた。欠けたエネルギー供給量を埋めるには石油、石炭、天然ガスなどの活用を増やす必要がある。その中で最も有望なのは天然ガス。日本の復興需要に牽引されて世界的に利用が加速するだろう」 英バークレイズ・キャピタルのアナリストであるビリアナ・ペリバノバ氏はそう予測する。 特に米国では「シェールガス」と呼ばれる非在来型天然ガスの開発・生産が急増しており、東日本大震災を機に投資と開発がますます過熱しそう。米東部最大のシェールガス田「マーセラス」の鉱区を訪ねた。 24時間ぶっ通し、4カ月で掘る その開発現場は、かつて製鉄の町として知られたペンシルベニ