遺伝子型から個体の性質を予測できれば、それに合わせた飼育管理方法の開発や、乗馬・セラピーホースなどの適性の評価などに応用が期待されます。さらに研究を進め、ヒトとウマがよりよい関係を築くための一助となればと考えています。 概要 ウマは家畜動物として長い歴史をもつ動物ですが、ウマにおける遺伝子型と行動の関連についての研究は多くありませんでした。本研究では、乗り馴らし中のサラブレッド馬の扱いやすさと遺伝子型との関連を分析しました。不安や恐怖の調節に関連する神経伝達物質である、セロトニンの受容体をコードする遺伝子を対象に、遺伝子型によって行動に違いが見られるかを分析しました。 扱いやすさと遺伝子型の関連を分析したところ、HTR1Aの遺伝子型によって扱いやすさが統計的に有意に異なることがわかりました。709番目の塩基はGからAの置換ですが、このうちAの対立遺伝子をもつ個体はもたない個体に比べて扱いに
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