勉強や受験、さらには就職にいたるまで、何か「のため」の対価として、基本ガマンしながら砂を噛むように日々をすごしやすくなっている昨今の若者の状態を「のため病」として捉え、考えているわけですが、これが目に付いたのは、一般大学の中で特異な私の立ち位置があると思っています。 つまり、通常の総合大学では見えない現実が、クラシック音楽という私の仕事の特異性によって際立っているように思うのです。 音大のキャリアで考える 「なぜ受験勉強するの?」 「いい大学の合格のため」 「なぜいい大学に入らなきゃいけないの?」 「いい会社に就職のため」 ・・・という「のため」の(見た目上の)無限連鎖。これを法学部とか医学部、経済学部や工学部のケースで前々回、前回と考えてきたわけですが、これを私の専門、クラシック音楽で考えてみると、この「病」の悪性度が際立って見えてくると思います。 「なぜ受験の勉強をするの?」 「音大合