ひとりの硬骨漢が8月27日、鬼籍に入った。杉野泰治氏62歳。元日産自動車企画室課長で、1999年に日産を倒産の危機から救った功労者のひとりだ。 当時の企画室のラインは、担当役員が鈴木裕企画室長、志賀俊之次長、杉野課長だった。杉野氏は実務担当者として世界を飛び回った。米国日産勤務が長く、英語ができて法務が専門だった。告別式では鈴木氏が弔辞を読んだ。志賀氏も供花した。 杉野氏はルノーとの提携後も企画室に在籍し、カルロス・ゴーン氏から重用されたが、辞めた。高額報酬を提示され、残留するようにゴーン氏から言われたそうだが、退社した。おそらくゴーン氏の経営手法が嫌になったことも一因だろう。その後、企業再生ファンドを立ち上げ成功を収めた。唐沢寿明氏が主演したNHKテレビ60年記念ドラマ「メイドインジャパン」の主人公のモデルのひとりでもあった。 トップが2代続けて「報酬不正」 昨年11月19日、ゴーン氏が