「まるで下り坂ばかりが続くジェットコースターのようだ」──。株式ニュースを伝える米テレビ局のリポーターは、こんな表現で終わりの見えない恐怖を表現した。 3月12日、米ダウ工業株30種平均は3日前に記録した過去最大の下げ幅をさらに更新する大波乱だった。12日の終値は前日比2352ドル60セント安の2万1200ドル62セント。下落率の9.99%は1987年のブラックマンデー以来最悪の数字となった。 直接的な要因は、11日午後9時(米国東部時間)にドナルド・トランプ米大統領が実施したテレビ演説の内容だ。9日に「予告」していた給与税減税や中小企業向け支援策などは議会との擦り合わせが難航し、11日になっても具体化しなかった(関連記事)。代わりに明言したのが英国を除く欧州から米国への入国を基本的に禁止する「渡航規制」だった。 市場の反応はトランプ大統領の想像以上だったかもしれない。航空株など観光関連は