遺言書保管法の概要 まず、遺言書保管法のアウトラインをご紹介します。 (1)遺言書保管法とは この法律は、高齢化の進展等の社会情勢の変化を鑑みて、「相続をめぐる紛争を防止する」という観点から、法務局において自筆証書遺言を保管できる制度を設けるものです。 (2)遺言書保管法が制定された背景と目的 自筆証書遺言の方式が緩和された 遺言は、遺産の分配方法等に関する被相続人(=死亡した人)の最終意思を明らかにするものです。また、遺言があれば、原則として遺言の内容のとおりに遺産が相続人等へ承継されるので、これにより遺産分割をめぐる紛争を防止するという効果も期待できます。しかし、遺言は十分に活用されていないのが現実です。そこで、遺言の利用を促進するために、2019年1月13日に自筆証書遺言を作成する負担を軽減する「自筆証書遺言の方式緩和」が施行されました(民法968条2項)。これにより、従来は「全文自