「伝統ある自民党総裁の地位の重さを改めて認識している。初の戦後生まれの総裁として、理想の炎を絶やすことなく、改革のたいまつを受け継いでいくことを宣言していく」 20 日午後、東京の自民党本部。自民党総裁選で66%を越える圧倒的な支持を得て、次期首相の座を射止めた安倍晋三官房長官が、上気した表情で当選の感想を語った。日本の新しい顔となった安倍氏は、政権構想で「戦後体制からの新たな出発」を掲げた。4半世紀前の1982年、中曽根康弘氏は「戦後政治の総決算」と言ったが、安倍氏の主張はより具体性を帯びている。 安倍氏は選挙運動期間中に「5年以内を目標に憲法改正を実現する」「憲法第9条に対する解釈を変えてでも集団的自衛権を検討するべき」「教育を抜本的に改革する」「国家戦略を立案する国家安保会議を設立する」などと述べ、輝かしい公約を相次いで出した。 靖国神社を参拝し、周辺国の怒りを買った小泉首相で