今週のコラムニスト:クォン・ヨンソク [12月19日号掲載] 日本のテレビドラマは低迷しているが、政治ドラマはなかなか面白い。「小泉劇場」「政権交代」に続き、現在の第3シーズン「新党乱立」も、それなりに高視聴率を維持している。先日の党首討論会で11人の党首が並んで手をつなぐシーンには思わず噴き出し、あまりの党首の多さに「AKBか!」とツッコミを入れたくなった。まさに「センター」を奪い合う総選挙では、熾烈な握手合戦が展開されるのだろう。 だが韓国にはもっとドラマチックな「韓流」政治ドラマがあった。その主人公は「韓国のビル・ゲイツ」と呼ばれる、IT企業創業者で元ソウル大学教授の安哲秀(アン・チョルス)だ。政治と無縁だった安は昨年の暮れ、20~40代の若年層の支持を背景に突如大統領候補に浮上し、世論調査の支持率で与党候補を上回った。 この「安哲秀現象」は、手あかが付いた既存の政治家から代表を選ぶ