ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/reizei (69)

  • 田母神俊雄氏のイスラエル訪問計画、3つの懸念

    田母神俊雄氏(元自衛隊航空幕僚長)の支持グループが「イスラエル国防視察団」を編成し、同氏を「団長」として9月にイスラエルを訪問する企画をしているようです。 その告知の文章によれば、趣旨としては「日において、いよいよ集団的自衛権行使について閣議決定がなされました。中東では不安定な国々が争っていますが、その中でも三千年以上の流浪の民族が近年建国したイスラエルの国防に学ぶところが多々あると思います」ということです。 ちなみに、募集人員は22~25人というのですが、稿の時点で閲覧した募集のホームページでは4名しか応募がなく、最少催行人数に達していないので、視察自体が実現するかは分かりません。 この「視察」ですが、日が枢軸国として参戦した先の大戦の評価に関して肯定的である田母神氏が、ナチスドイツの被害者の代表団体とも言えるイスラエルを訪問するというのは、ある種「異なる立場同士の和解」になるわけ

    田母神俊雄氏のイスラエル訪問計画、3つの懸念
  • 現代日本で「大家族化」は可能なのか?

    安倍首相は先週山口県で行った講演で、少子化対策の一環として「核家族化が進んだ現代、大家族を再びよみがえらせることは並大抵のことではない」とした上で、「大家族で支え合う価値を社会全体で改めて確認すべきだ。大家族を評価するような制度改革を議論すべきだ」と表明したそうです。同時に「第3子以降への手厚い補助」という構想も打ち出しました。 かなり保守的なムードのする政策提案ですが、仮に大家族でも構わないという若い人々がいて、実際に大家族が機能する風土があるのであれば、別に反対する必要もないと思います。つまり三世代以上が同居ないし、同一敷地内や近所に住むなどして祖父母が子育ての一部を担うことが機能するのであれば、そして機能するような制度を作ってそれが効果を発揮するのであれば、それはそれで良いと思います。 確かに統計資料を見ても、例えば福井県などは「三世帯同居」と「共稼ぎ」の数字が全国でもトップクラスで

    現代日本で「大家族化」は可能なのか?
  • ウクライナ東部、旅客機撃墜を取り巻く複雑な状況

    7月17日の米国東部時間のお昼前後に、「ウクライナ東部で、マレーシア航空のボーイング777型機が不明に」というニュースが駆け巡りました。ネット上の反応などを見ますと、誰もが一瞬、3月に発生したインド洋での同社の同型機の失踪を思い起こしたようです。 あの時は、機体が消えてしまい現在でも不明になっています。ですが今回の場合は、事件が現地の昼間に発生したこともあり、様々な動画や静止画があふれる中で、数時間のうちに事態の概要が大きく報じられるようになっています。 映像の中には、明らかにマレーシア航空機の塗装やマレーシアの国旗の表示のある機体外壁の大きな破片があり、また遺体などから回収されたパスポートの山など、胸の痛む画像もあります。マレーシア航空のアムステルダム発、クアラルンプール行きの「MH17便」であることは間違いないようです。乗客乗員298人の生存は絶望的と言われています。 この事件ですが、

    ウクライナ東部、旅客機撃墜を取り巻く複雑な状況
  • ろくでなし子氏の逮捕、何が問題か?

    漫画家で美術家の「ろくでなし子」氏が逮捕されました。「わいせつ電磁的記録頒布」という容疑で、警視庁保安課が逮捕したと発表しています。問題視されたのは、女性器を「下卑たものとして扱うな」とか「自分にとっては手足と一緒」だという同氏の主張を込めた一連の創作活動の一部についてでした。 報道によると、ろくでなし子氏は女性器をかたどった小型ボート(ネット上で見るとバナナボートのパロディのようです)を制作するためネット上で寄付を呼びかけ、寄付をした人に3Dのデータを配ったことが問題とされているようです。 この事件ですが、メディアでは警察の発表をそのまま丸写しして、ろくでなし子氏のことを「自称芸術家」であるとか「わいせつデータの頒布」などと一方的に決めつけた報道がされており、こうしたメディアの対応への批判が起きています。 DJが音楽を流す「クラブ」の規制問題などもそうですが、文化的・社会的な価値観が揺れ

    ろくでなし子氏の逮捕、何が問題か?
  • 異常なことばかり、集団的自衛権議論の周辺 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    安倍首相は7月1日に記者会見を行い、内閣によって「集団的自衛権の合憲化」が閣議決定されたとアナウンスしました。これと前後して、首相官邸前ではかなりの規模のデモが行われ、メディアも大きく取り上げているようです。 今回の一連の動きですが、どうにも「異常な」ことだらけだと思います。私には、集団的自衛権に関する問題に加えて、以下に掲げる問題の「異常さ加減」の方に、より深刻なものを感じました。 一つは、アメリカのオバマ政権は今回の「憲法解釈変更」をとりあえず歓迎しているわけですが、その意味合いというのは「制度としての変更」は支持するものの、「制度変更を後押しした政治的な動き」に関しては、支持ではなく警戒しているということです。 つまり、歴史認識の見直しを中心に中国との摩擦を強め、同盟国であったはずの韓国との結束も弱体化させつつある安倍政権の政治的な姿勢には賛同していない一方で、「米軍の負担軽減」とい

    異常なことばかり、集団的自衛権議論の周辺 | 冷泉彰彦 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
  • 「ヤジ事件」を機に、社会的セクハラ体質を徹底検証しては?

    東京都議会の議場で発生した女性議員への「ヤジ事件」ですが、解決のプロセスはともかく、この種の発言は完全に「アウト」であることが広範に認知されたというのは、一つの前進なのだと思います。 では、これで「事件」に関しては犯人探しと謝罪といったみそぎをすれば解決ということでいいのでしょうか? そうではないと思います。この機会に、社会に残るセクハラ体質について、様々な議論が必要だと思います。 3つ指摘したいと思います。 1つは人身売買の問題です。例えば、この月曜日にも、東京都東大和市で「12歳の女子中学生を拉致した男が、「一生家に帰らせない。売り飛ばしたら2000万円になる」などと脅して監禁した容疑で逮捕されるという事件がありました。この種の「女性の人身売買」ということが、まだまだ「場合によってはあり得る話」として社会にあふれている状況があります。 4月期の連続ドラマの中でも、例えば『極悪がんぼ』と

    「ヤジ事件」を機に、社会的セクハラ体質を徹底検証しては?
  • 「排外発言」とは正反対だった「舞の海氏の講演」(前回エントリのお詫びと訂正)

    昨日(27日)アップした大相撲に関するエントリで、舞の海秀平氏が講演で「外国人力士排斥発言」を行ったという報道を受けてコメントしましたが、その後、アラスカ在住の好角家の方から指摘があり、その講演の内容全体を動画サイトで閲覧することができました。 結論から言えば、舞の海氏の発言は報じられていたのとは180度異なり、むしろモンゴル出身力士をはじめとした外国人力士へのリスペクトに溢れたものでした。まずもって、お詫びと共に訂正をさせていただきます。 この講演から明らかなのは、舞の海氏もまた相撲文化の素晴らしい継承者であるということであり、その素晴らしい弁舌も含めて、名講演と言っても過言ではないと思います。 この講演で舞の海氏の指摘したのは、以下のような点です。 「相撲の発祥地はモンゴル。東進して韓国経由で日に伝わった。西進したものは現在トルコなどにも伝えられている。 「日歴史上初めて相撲が登

    「排外発言」とは正反対だった「舞の海氏の講演」(前回エントリのお詫びと訂正)
  • 道徳教材に「二宮金次郎」、何が問題なのか?

    先週、テレビ朝日の番組『朝まで生テレビ』に出演しました。テーマは安倍教育改革に関してでしたが、そこで、この4月から学校現場で使用されるという道徳教材『わたしたちの道徳』が紹介されていました。番組内では中身を見ることはできなかったのですが、終了後に文部科学省のホームページへ行って内容を見た私は愕然としました。 小学校1・2年生用の教材に、何と「二宮金次郎」が取り上げられていたのです。戦前の「修身」教育の象徴として、全国の学校に「焚き木を背負って運びながら読書をする」銅像の建てられていた、「あの」二宮金次郎です。 ストーリーは単純で、「幼くして両親と死別した金次郎は、おじの家に引き取られた。読書好きの金次郎は夜遅くまで読書をしていたところ、菜種油を無駄遣いするなとおじに怒られた。そこで金次郎は自分で畑を耕して菜種を収穫して読書を続けて立派な人になった」というものです。 愕然としたというのは、こ

    道徳教材に「二宮金次郎」、何が問題なのか?
  • ウクライナ問題、「苦しいのは実はプーチン」ではないか?

    ウクライナでは、クリミア半島にロシア軍が展開する中で、ウクライナ軍との睨み合いが続いています。一方で、アメリカやEUの行動には毅然とした姿勢が見られずプーチンが「やりたい放題」のようにも見えます。 ですが、週明けの情勢を分析してみると、その奥には「プーチンのロシア」の苦境がチラチラと姿を見せている、今回はその辺をお話しようと思います。 まず、プーチンの行動ですが、クリミアが欲しいとか、東ウクライナがどうとか、あるいはウクライナを丸ごと「ユーラシア連合入り」させたいなどというのは、全て求心力維持のためのポーズだと思います。2~3月にかけての彼の一連の行動の動機は別にあり、その正体を見せてしまうと権威が失墜してしまうので、「強がる」ために軍隊を見せて領土がどうとか、戦争がどうという「イメージ」を流させているだけです。 実はプーチンは困っているのです。というのはウクライナでは金融危機が再燃してい

    ウクライナ問題、「苦しいのは実はプーチン」ではないか?
  • 日本とドイツ、「戦後の国のかたち」の違いとは何か?

    2月24日にロイターが配信した記事によれば、3月末に主要国の首脳が一同に会する「核安全保障サミット」への参加にあたって中国の習近平主席は、ドイツを訪問するそうです。ロイターによれば、ドイツによる「第二次大戦への反省」に敬意を表すると共に、安倍政権への牽制を意図しているというのです。 このドイツとの比較論に関しては、確かに日の内外に「日ドイツの謙虚な姿勢に見習え」というような声があるのは事実です。その意味で、仮にロイターの報道が的を得ているのであるにしても、習近平主席の発想は決してオリジナルではありません。 では、当に日ドイツのケースに見習うべきなのでしょうか? ある部分はそうだと思います。ですが、ある部分は違います。ここは少し議論の整理が必要であると思います。 まず、ドイツでは「第三帝国という国のかたち」が消滅し、分断の苦しみの後に新たな国家を建設していったわけです。そのような

    日本とドイツ、「戦後の国のかたち」の違いとは何か?
  • 『永遠の0』の何が問題なのか?

    先月に一時帰国した際、評判の映画『永遠の0』を観ました。また、小説も評判であるというのでこちらも読みました。どちらもプロの仕事であると思います。技術的に言えば、ストーリー・テリング(物語の展開)だけでなく、セッティングやキャラクターの造形、そして何よりも時空を超えた大勢のキャラクターが、物語の進行とともに「変化していく」効果が見事です。 キャラクターの「変化」というのは、「成長」したり「相互に和解」したり、あるいはキャラクターに「秘められていた謎」が明かされたりしてゆくという意味です。そうした効果を、時空を超えた複数のキャラクターを使って、しかも2000年代と第二次大戦期という2つの時間軸の中で実現している、そのテクニカルな達成はハイレベルだと思います。 更に言えば、老若男女の広範な層にまたがる読者あるいは観客は、多くのキャラクターの中から自分の感情を投影する対象を見出すことができるように

    『永遠の0』の何が問題なのか?
  • 安倍首相はダボスで何を言ったのか? | 冷泉彰彦 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    安倍首相はスイスのダボス会議の席上で、海外の記者との懇談の際に、英『フィナンシャル・タイムス』のギデオン・ラッチマン記者から「日中国の関係が戦争(war)に発展する可能性がある(conceivable)のではないか」と問われたところ、「今年は第1次大戦から100年を迎える年。当時、英独は大きな経済関係にあったにもかかわらず第1次大戦に至った歴史的経緯があった」と説明したといいます。 この「事件」に関しては、通訳が余計な文言を追加したためにトラブルが大きくなったという解説もあるようです。事の真相は、仮にビデオなり音声が残っているのであれば、それを検証する必要があると思いますが、問題は、このラッチマンという記者だけでなく、多くの有名なジャーナリストが「安倍発言に驚き、かなり深刻な報道をしている」という事実です。 特にアメリカのネット誌『インサイダー』のCEOであるヘンリー・ブロジェット氏は

    yoyoprofane
    yoyoprofane 2014/01/28
    後発ゆえ今までのところ一番バランスの取れた記事。
  • 世紀の大傑作『かぐや姫の物語』にあえて苦言を一言

    ちょうど封切りの初日に間に合ったのは幸いでした。短い一時帰国の最後の晩、新宿のシネコンで観賞後に羽田発の深夜便で西海岸乗り継ぎで戻ってくるというのは強行軍に聞こえますが、その間、映画の余韻がずっと続いていたことで疲労も感じなかったぐらいです。 傑作だと思います。いや大傑作でしょう。 これはアニメーションというカテゴリに全く新しい次元を開いただけでなく、原作の『竹取物語』が千年を越える生命を保っているように、この作品も長い時間を越えて残っていく価値がある、それぐらいの作品と思います。 何よりも、日画や水墨画を思わせる「開かれた、そして動的なエネルギーのある線」の表現が、動画になることで、ここまでの表現力を獲得したということが画期的です。アニメは、ここに至って「輪郭線と塗りつぶし」という文法から解き放たれたのですが、そのことの意味がこれほどまでに説得力を持つというのは驚愕でした。 日画の影

  • 「オバマケア」のシステム不具合で窮地に立つオバマ

    現在のアメリカでは「オバマケア」の名前で呼ばれる医療保険改革の問題が連日のようにニュースのヘッドラインになっています。と言っても、改革を進めるのか、あるいは共和党の言うように新制度を「廃止」するのかという議論ではありません。 10月からスタートした「新医療保険」、つまりこれまで保険に入れなかったか、あるいは入っていても保険料が高額で困っていた人向けの「政府の補助付きの新型医療保険」、その「加入申し込みシステム」の不具合が解消されないのです。この問題は今となってはスキャンダルと化して、一日一日とオバマ政権への信頼感を傷つけています。 一番の問題は、「強制移行」の対象者です。旧制度の下で、企業や官公庁などの「雇用主が保険会社と契約して入る保険」でカバーされていた人々(実際はアメリカ社会の多数派ですが)は、今回の制度改定での影響は余りありません。問題は、これまで「全額自己負担」という個人契約の医

  • 回避されたアメリカの財政危機、「ティーパーティー」の誤算

    稿の時点では、可決された法案がホワイトハウスに回付され、大統領の署名を待っているところですが、とにかく「政府閉鎖」と「デフォルト危機」をめぐる与野党のバトルは終わりました。上院は圧倒的な過半数で通過した法案ですが、心配された下院の票決も「賛成285、反対144」となり、共和党保守派の「ティーパーティー」としては完敗というところです。 これで当面の「デフォルト」の危険は去り、連邦政府の業務も再開されることになりました。2010年の中間選挙以来、アメリカ政界を「かき回して」きた「ティーパーティー」ですが、この敗北で影響力には翳りが生じていくものと思われます。 では、彼等は何を誤ったのでしょうか? (1)最初から作戦も落とし所もなかった、つまり無計画で「成り行き任せ」のくせにケンカを売ったというのが「そもそもの間違い」だと思います。最初に問題になった「政府閉鎖」にしても、テッド・クルーズ上院議

  • 『あまちゃん』とJR北海道、そして過疎・高齢化を考える

    NHKの朝の連続テレビ小説『あまちゃん』は、こちら北米でも「テレビジャパン」という衛星放送を通じて大変に好評です。こうした「ネタ」的なものを積み重ねてキャラを造形し、エピソードの反復やトリビアを埋め込んで笑いの小世界を作っていくというのは、アメリカのコメディ群像劇、いわゆる「シットコム(シチュエーション・コメディ)」にもよく見られます。 ですが、当地のシットコムが「視聴率が取れるとダラダラと何シーズンも続く」のと比べると、『あまちゃん』の場合は最初から2クール156回というフォーマットが決まっていたわけです。その中に空間軸と時間軸を埋め込み、特に今週の大団円では予告編で作り上げた視聴者の期待感のハードルを、毎日毎日上へ上へと越えていく作りこみがされている点では、他に類例のない完成度に達していると言って構わないように思います。 この『あまちゃん』には、いわゆる小ネタだけでなく、膨大なサブ・エ

  • 日本の「国のかたち」、戦前戦後の変化を認める立場とは?

    今年も二回の原爆忌に続いて、8月15日がやってきます。この「敗戦の意味」を考える上で重要なのが、戦前と戦後で日の「国のかたち」は変わったのかという問題です。実は、この問題に関しては明確な合意ができていません。 1つの考え方は、日という言語や文化を持った文化圏(エスニシティー)は不変だが、統治機構という意味での国家(ソブリン)は変化したという見解です。日国政府は明らかにそのように行動していますし、国際社会からもそのように認知を受けていると思います。 例えば、現在の国際連合は大戦中の「連合国」の正統性を継承しており、「枢軸国」は「旧敵国」だという規定が国連憲章には入っています。いわゆる「敵国条項」ですが、日政府は統一後のドイツと共同で公式にこの「敵国条項の廃止」を要求し、総会決議にも漕ぎ着けています。(各国の批准を促進する努力はしていませんが。) それは、国際社会が「現在の日は敵国で

  • 松井秀喜氏はどうしてヤンキースタジアムを総立ちにさせたのか?

    考えてみれば不思議です。日でのキャリアはともかく、アメリカではヤンキース一筋というわけではありませんでした。ヤンキースの後、エンゼルス、アスレチックス、レイズと複数の球団を渡り歩いて引退したのであって、松井氏は引退の時点ではヤンキースのメンバーではなかったのです。 にもかかわらず、7月28日の日曜日、ニューヨーク・ヤンキースは松井氏と「ワンデイ・コントラクト」つまり一日だけの契約を交わすと共に、ヤンキースタジアムに登場して「引退セレモニー」を行いました。球団は、この日のことを相当に前に決定していたようで、「7月28日に球場に行くと、ヒデキ・マツイの首振り人形がもらえる」というキャンペーンについては、シーズンの相当初期に発表していたのです。 ヤンキースの独占中継局であるYESネットワークによれば、合同記者会見の席上で、ブライアン・キャッシュマンGM(ゼネラルマネジャー)が挨拶をしたのと同時

  • 31歳で世を去った『Glee』主役、コリー・モンティスの悲劇

    人気絶頂の中での芸能人が急死ということでは、ここ数年で言えば、マイケル・ジャクソンであるとかヒース・レジャーの例があるわけですが、7月13日のバンクーバーにおけるコリー・モンティスの死というのは、その悲しさという点では突き抜けていると思います。 コリー・モンティスの出世作であり、代表作となったミュージカルTVドラマ『Glee』については、日でも放映されていますのでご存知の方も多いと思いますが、2009年から現在にかけて全米で最も成功したドラマと言って良く、社会現象になっているという言い方もできると思います。 舞台は、オハイオ州にある架空の高校の「合唱部(グリークラブ)」です。この「グリークラブ」というのは、クラッシックや唱歌、聖歌などを歌う「合唱団(クワイヤ)」ではなく、どちらかと言えば、ミュージカルやポップのナンバーを歌って踊るものです。 お話は、そのグリークラブが、メンバーが身体障害

  • 「橋下発言」はアメリカからどう見えるか

    所用でニュージャージー州外に行っていたのですが、その間にこの問題がどんどん拡大していたのには驚きました。現在の事態は、この欄で過去に申し上げた「管理売春は現代の基準では性奴隷」という指摘、また「国境を越えたコミュニケーションでは理念型の発信しか通用しない」というコメントが生かされなかった点、何とも残念に思います。以下は、とりあえず、現時点で気づいたことを箇条書きにしておこうと思います。 (1)アメリカなど欧米諸国はキリスト教国だから性的なタブーの強い「偽善的な国」だという主張があります。もしかしたら問題の奥の背景にはそうした宗教やカルチャーもあるのかもしれません。ですが、アメリカがいい例ですが、買春行為に対して社会が厳しい目で見ているのは宗教や文化のためではないと思います。核家族のイデオロギーが確立する中で、買春行為というのは、と子への裏切りであり、社会の最小単位である核家族を破壊し、自