地方の人口減少を食い止めようと、総務省は2015年度に「地方中枢拠点都市圏構想」を本格化させる。人口20万人以上の拠点都市と周辺市町村が協力して雇用や生活環境が整った都市圏をつくり、東京をはじめとする3大都市圏への若者の流出を防ぐ。9月に発足した政府の「まち・ひと・しごと創生本部」の基本方針にも、活力ある経済圏を形成する取り組みとして位置付けられた。ただ拠点都市に国の財政支援を集中させるため、周辺市町村との格差拡大の懸念も出ている。 人口三万二千人の岡山県新見市。鳥取県境の中山間地にあり、面積の九割近くが山林だ。民間団体「日本創成会議」の試算では、四〇年に二万人を下回る。九月議会でも対策が連日話し合われたが、手詰まり感が強い。 総務省は一四年度、構想の具体計画を策定するモデル事業に全国九カ所を選定。そのうちの一つに倉敷市を拠点とする七市三町の都市圏があり、新見市も名を連ねている。石垣正夫新