亡国予算 闇に消えた「特別会計」 北沢栄著 〜描き出される「官」が操る魑魅魍魎の世界 - 09/06/15 | 08:00 まず実態に驚き、次にこんな日本に誰がしたと憤慨し、誰もが「改めろ」と声を上げるだろう。塩川正十郎元財務相が国会答弁で「母屋でおかゆ、離れで子供がすき焼き」と認めた国の特別会計の問題である。 2009年度予算でも一般会計とは別に、4倍の規模の特別会計が存在する。それどころか08年度は一般会計の約59%に当たる約49兆円が特別会計に繰り入れられている。「一般会計は特会事業に資金を渡す『トンネル会計』」なのだ(第1章)。 この特別会計は「官製事業の『資金源』」で、天下りネットワークに使われ、赤字の垂れ流しなのに、情報開示も不徹底、国民のチェックも利かず、ツケだけが回ってくる。表題どおり「亡国予算」である。 官僚機構や財政の究明・分析で定評のある著者が、「『官』が自由