崩落現場の天井部分。天井板を固定していたボルトの痕跡が残る。白く変色した水漏れが目立ち、緊急点検時にチョークで記した「材質劣化」「ひびわれ」などの文字が見える=山梨県大月市で2013年2月、木葉健二撮影 山梨県大月市の中央自動車道・笹子(ささご)トンネルで9人が死亡した天井板崩落事故を受け、建設会社や高速・鉄道各社、研究者らでつくる土木学会は、コンクリートにボルトを接着剤などで留める工法による重量物のつり下げを原則禁止する方針を固めた。年度内にも業界として初めてつくる同工法の統一指針に盛り込む。建物や空調の分野では地震時の落下災害を念頭に既に規制がかけられており、事故を受けてようやくトンネルなどを造る土木業界でも対策が取られることになった。 【安全より「造ること第一」】笹子トンネル事故:新工法過信、設計に事故の芽 笹子トンネル事故は昨年12月2日に発生。約140メートルにわたって天井板(