(前回から読む) 1995年1月17日未明に発生した兵庫県南部地震から20年が過ぎた。 その巨大地震災害の象徴でもあった阪神高速道路。その損壊、倒壊によって走行中の16名の方が亡くなったことには何とも胸が痛んだが、その復旧には何年も、何十年もかかるだろうと思われた。だが、わずか20ヶ月という信じがたい短期間に復旧開通を果たした。その空前の復旧大工事という仕事は、「震災20周年」でも伝えられることがなかった。 手抜き工事の噂、否定せず…真相が知りたい 阪神・淡路大震災の現場入りした私たちは、約28kmにわたる阪神高速道路の被害の「広がり」をまのあたりにした。今回、ともに現地取材を行った写真家の山本皓一さんから、当時撮影したおよそ1000枚の全写真(ポジフィルム)を提供していただいたが、それらを見ながら当時の記憶が鮮明に蘇り、あらためて身震いする思いだった。