上りの大原行の急行列車が大多喜を出ると、ピンポンピンポンとオルゴールのチャイムが鳴って、「ただ今から乗車券、急行券を拝見させていただきます。」とアナウンスが流れます。 急行列車の車内検札の始まりです。 前回までの文章をお読みの皆様の中には、「何だ、いすみ鉄道だってお客様を疑っているじゃないか。」と言われる方もいらっしゃると思いますが、いすみ鉄道が車内検札をするのは、実はイベント的色彩が強いのです。 硬券の急行券に鋏を入れるのも、車内補充券を発券するのも、昭和の観光急行列車の演出で、「昔はこうだったなあ。」という懐かしさを味わっていただくという意味合いがとても強いのです。 ところが、JRでは今でも真剣に検札や改札をやっていて、それがあたり前だと思っている。 面白いのが、あたり前だと思っているのは会社だけじゃなくて、お客様も皆さんあたり前だと思っている。 だから、もしかしたら、いす