労組出身の最年少役員が社長に就任 聞き手:本日はよろしくお願いします。大変遅くなって恐縮ですが,第1回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞,中小企業庁長官賞の受賞,誠におめでとうございます。まずは,ここまでに至る道筋と言いますか,どうやってこうした会社を作って来られたのか,お教えいただけますでしょうか? 近藤:ありがとうございます。日本レーザーはもともと,電子顕微鏡のトップメーカーである日本電子の子会社でした。わたしの前に歴代の社長が4人いて,全員日本電子の出身者です。バブル崩壊後に何年間も続けて業績が悪化し,1993年にはとうとう債務超過に陥ってしまいました。主力銀行からも「もう融資できない」と宣言されました。当時,銀行保証は親会社が請け負っていたのですが,最も信用があると考えられる一部上場企業の保証があっても銀行が融資しないというのは,かなり悪い状況といえます。主力銀行は「存続させる