今回はレンズ4部作(?)のうちで,いちばん数式の多い回かも.今後こういうのがずっと続く訳ではなくて,数式レスのネタも各種予定しているのでよろしく. ガウスとレンズのつながり 数学者のガウスとレンズの繋がりというと,カメラが好きな人は「ガウス型のレンズ」を思い浮かべるのではないか.しかし,実はガウスとガウス型のレンズの繋がりは存外薄いようだ.ガウス型の特徴である「前後対称にレンズを並べる」というのもガウスの考案ではないらしい. それでは,ガウスとレンズはあんまり関係ないか,というと,それは全然違う.レンズの集まりについて,いちばん簡単な近似で議論することを「近軸理論」という.「レンズの中心軸に近い光線(近軸光線)を議論する理論」という意味だが,他の分野の用語でいえば,線形近似(1次近似)である.三角関数が好きな人なら「中心軸との角度をラジアンで測ったものをとしたときに,となる範囲」を扱う理論