日経の記事利用サービスについて 企業での記事共有や会議資料への転載・複製、注文印刷などをご希望の方は、リンク先をご覧ください。 詳しくはこちら 米国を8月下旬に直撃した大型ハリケーン「ハービー」。被害の全容は洪水の水が引き、動かなくなった車や汚泥が流れ込んだ家々、多くの溺死体を目にするまで把握できないだろう。ただ本誌エコノミストが印刷に回された時点ですでにテキサス州南部の降雨が6日目に入り、米国史上、最悪の大洪水をもたらしたことは明らかだった。 同州ヒューストンでは、ハリス郡がわずか100時間で4.5兆リットル超の水につかった。8歳児をすっぽりのみ込むほどの雨量だ。 世界の耳目はこの米国第4の都市の惨状に集まっているが、自然災害の被災地はヒューストンだけではない。インドやバングラデシュ、ネパールでは今年、モンスーンによる洪水で少なくとも1200人が死亡し、数百万人が家を失った。8月には西ア