日経の記事利用サービスについて 企業での記事共有や会議資料への転載・複製、注文印刷などをご希望の方は、リンク先をご覧ください。 詳しくはこちら 本誌エコノミスト記者は今月、ピカソやマチス、ゴッホの絵画に満ちた米フィラデルフィアの美術館「バーンズ財団」を訪れた。1872年に生まれたアルバート・バーンズは、2つのことで注目される。一つは、りん病を治療する消毒薬で財を成したこと。もう一つは、自分の美術品コレクションを死後に展示する方法を事細かに定めていたことだ。その結果、何百点もの美術品が往々にして狭苦しい部屋に何の脈絡もなく詰め込まれており、大物に墓場から支配されているような不気味な印象を覚える。 ハイテク、電子商取引(EC)、メディアの出身者が多い今日の著名財界人について考える時、バーンズの暗躍が頭に浮かぶ。現時点では、彼らは全能に思える。だが、多くの創業者は徐々に自社株を売って現金化してい