IT関連の人材市場に、ようやく回復の兆しが現れ始めている。そのなかで動きが目立つのが、ネット系企業の一角だ。ここでは高い技術を持った人材の獲得競争が過熱し、各社とも採用に苦慮しているという。いまIT技術者をめぐる人材市場に何が起きているのか?リクルートエージェントのテクニカルアドバイザー・大月英照氏を取材した。 「ここ1〜2ヶ月の動きです。ネット系業界で、優秀な技術者を確保するのが困難な状態が、急速に強まっています」 リクルートエージェントの大月英照氏(ITマーケットRA2グループリクルーティングアドバイザー)は指摘する。 大月氏は大手SI企業出身。第三セクターの大型案件などで開発経験があり、学生時代には東欧諸国の市場むけにウェブアプリケーションの開発販売を手がけた。携帯端末の開発にも詳しい。その大月氏によれば、もともとネット系の人材は業界全体のたった1%程度に過ぎず、トップレベルのスキル