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ブックマーク / lessor.hatenablog.com (14)

  • やりがい搾取する「子どもの貧困対策」 - 泣きやむまで 泣くといい

    「子どもの貧困対策」に関わっている。 直接に自法人が運営しているわけではない。地方自治体からの委託事業で、運営しているのは地元の母子会。自分はアドバイザーである。 内容としては、最近増えつつある「子ども堂」や学習支援を中心にして、地域交流とか関係機関との連携とかスタッフの育成もやれ、ということになっている。週2回の開所で、毎回小中学生が30人くらい参加して、スタッフは毎回10名前後になる。 経済的事情から学習支援を必要とする子どものためにスタートしたが、蓋を開けてみると多くの親子が複合的な課題を抱えていた。困難事例の数々とスタッフのマネジメント、そして育成。母子会だけで進めていくのは無理と感じられるようになって、自分がアドバイザーを頼まれることになった。 アドバイザーとなって今年度(29年度)の事業計画と予算で尽力したのは、コーディネーターの人件費をきちんとつける、ということだった。 こ

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    ytn 2018/03/29
  • 衆院選マニフェスト比較2017(障害者分野) - 泣きやむまで 泣くといい

    はてなブログに移行して最初の記事が恒例の「マニフェスト比較」になるとは思っていなかった。 はじめての人のためにいちおう書いておくと、国政選挙のたびに主要政党のマニフェストから「障害者」に関する部分だけを抜き出して、比較している。過去のものはこちら(参院選2010、衆院選2012、参院選2013、衆院選2014、参院選2016)。 社会保障や税制なども含む政策全体の中で見なければいけないとは思うけれど、ひとまずわかりやすく「障害児者」や「障害児者と関わる福祉・教育等の関係者」について直接言及した記述だけ確認しておきたい、という人には役立つかもしれない。マニフェストからの全文引用ばかりではしんどいので、私的なコメントもつけていく。 まずは、もちろん政権与党から。 自由民主党 政策BANK2017 人づくり革命 〇幼児教育の無償化や介護人材の確保などを通じてわが国の社会保障制度を全世代型社会保障

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    ytn 2017/10/10
  • 「障害者」のリアリティをもって抗いたい - 泣きやむまで 泣くといい

    相模原の入所施設で凄惨な事件が起きた。障害者支援をしてきた者(かつ事業所の経営者)として、考えさせられることが多すぎて、2日のあいだ(職場の中でさえも)コメントできずにいた。 今回、亡くなられた方たちは性別と年齢のみが報じられている。このことについて、朝日新聞のヨーロッパ特派員によるツイートが強く批判されているのを見て、自分たちにとっての課題を少し記しておきたい、と思った*1。 神奈川県警「現場が障害者の入所する施設で、氏名の非公表を求める遺族からの強い要望があった」→匿名発表だと、被害者の人となりや人生を関係者に取材して事件の重さを伝えようという記者の試みが難しくなります。 https://twitter.com/shiho_watanabe/status/758178708859527168 これまで犯罪被害者の遺族に対する執拗な取材が、悲しみに暮れる人々に追い討ちをかけたり、誰のため

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    ytn 2016/07/28
  • 「寛容さ」に救われないから「能力」に引き寄せられていく - 泣きやむまで 泣くといい

    最近、シノドスが「障害者」に言及した記事をよく掲載している。これまで「論壇」的なものの中であまり扱われなかったものに注目が寄せられる背景には、きっとこの記事のような時代診断があるのだろう。 生き延びるための「障害」――「できないこと」を許さない社会 荒井裕樹 http://synodos.livedoor.biz/archives/1902249.html これは「発達障害者」の現況や支援のあり方を示そうとして書かれたものではない。「障害」にまつわる言説が「発達障害」のような白黒のはっきりさせにくい「障害」の存在によって拡張されて、たとえば精神医学的には必ずしも正確ではない「俺は『コミュ障』だから」のような使われ方が日常的な場面でも広まりつつある事態に、社会の側にある「非寛容」からわが身を救おうとする人々の生存戦略を見出そうとするものだ。 障害の「社会モデル」的理解というのは何らかの意味で

    「寛容さ」に救われないから「能力」に引き寄せられていく - 泣きやむまで 泣くといい
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    ytn 2015/08/16
    "積極的に引き受けることによって、社会から期待される能力や責任から身を守り、ときには必要な支援を引き出そうとする、という「障害の医学モデル」を経由した「支援の社会化」であるようにも思える。"
  • チョコミントの練習問題 - 泣きやむまで 泣くといい

    ずっとその店に行くことはなくなっていた。彼がお気に入りだったチョコミントアイスの販売が終わってしまったからだ。彼は重い知的障害を伴う自閉症児である。 店のおばちゃんやおねえさんはすっかり顔なじみだった。ただ、どの商品を売るのかについての権限を持ってはいないだろうから、売れない商品がなくなるのは仕方ない。彼以外にチョコミントアイスを買う客を見たことはなかった。 彼はチョコミントアイスを求めてしばらく足を運んでいた。空っぽになったケースを指さして訴えるが、やがてあきらめて店を出ていく。おばちゃんたちはとてもすまなさそうにしていた。別の商品がケースにおさまるようになって、そのうち店に行くこともなくなった。 その店にチョコミントアイスがまた入荷されるようになったと情報が入る。それが、彼のためのものであるのかはわからない。でも、なんとなくおばちゃんたちの尽力を想像してしまう。 それでも彼には、ひとた

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    ytn 2015/08/16
    "しかし、である。彼がチョコミントアイスをずっと買い続けていたのは、自分の力ではもう抜け出せないパターンであったからだと思う...いったい何を大切にするのがよいか。支援者の傾向が見える練習問題のようなもの"
  • 判決要旨の言っていることがよくわからない - 泣きやむまで 泣くといい

    先日のブログ記事で触れた「受け皿がないから刑務所に長くいてもらおう」判決。多くの人が「判決文はどこで読めるのだ」と思っていたところ、判決要旨がネット上で読めるようになった。どなたかわからないが、アップロードしてくださった方(山眞理さん?)に感謝。 判決要旨 http://www.jngmdp.org/wp-content/uploads/20120730.pdf 特に問題となるのは要旨の終盤部分である。引用したい。 第2 具体的な量刑 1.そこで被告人に対する具体的な量刑について検討する。被告人や関係者等を直接取り調べた上で件行為に見合った適切な刑罰を刑事事件のプロの目から検討し、同種事案との公平、均衡などといった視点も経た上でなされる検察官の科刑意見については相応の重みがあり、裁判所がそれを超える量刑をするに当たっては慎重な態度が望まれるというべきである。 しかしながら、評議の結果、

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    ytn 2015/08/16
  • 「現場をわかってない」にアカデミズムはどう対抗するか? - 泣きやむまで 泣くといい

    Twitterでも少し書いたけれど、再整理してみる。 覚えておきたい「橋下リテラシー」 http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20120115 予想するに、おそらく画面上で今後も大学教授や知識人は負け続けるだろうと思う。残念ながら「論理」や「実証」をもってしても、勝てる気がしない。たとえ議論で勝てることがあっても、テレビで勝敗を決めるのは視聴者なのだから。橋下氏は、あの口調であのテンポであの表情で余裕しゃくしゃくと上から下からしゃべり続ける。「自分は現場を知っている」と主張しながら。対戦相手は熱くなれば「痛いところを突かれたのだ」と視聴者に判断されるし、冷静であり続ければ「現場と同じ目線で物を見ていない」と判断される。どう転んでも、負けた印象はぬぐえない。 反橋下の人たちが考えたほうがよいと思うのは、これから国政も含めての彼の「暴走」にブレーキをかけたいのであれば

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  • 「適応」を目標にしてはならない - 泣きやむまで 泣くといい

    ケース会議の論点が見えない状況にもやもやしながら、なぜこうなってしまっているのかと考える。 報告をまとめようと書き始めて気づく。やはり文章は自分をごまかせない。 問題点をみんながオブラートに包んで述べる。それがのらりくらりとかわされる。今はもううまくいっているのだと。トラブルは起きていないと。 実際にトラブルが起きていないかどうかはわからない。直接その場にいられるわけでもない。当なのか嘘をついていないかと問いただすわけにもいかない。みんな何も言えなくなる。 環境を何も変えてはいないのだそうな。だとしたら、我慢するようになったのかもしれない。あるいは「あきらめた」のかもしれない。どんなに荒れても結果が変わらないという悲しい学び。 「我慢している」ことの証明はいかに可能か。我慢できなくなったときに、はじめてわかる「これまでずっと我慢していた」こと。支援は後手後手にまわる。対応が遅れるうちに、

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    ytn 2015/08/16
  • 「介護労働が低賃金」という教科書の問題点 - 泣きやむまで 泣くといい

    教科書の「介護は低賃金重労働」、修正要望−関連6団体が出版社に http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150713-00000004-cbn-soci 福祉現場からすれば、教科書でまでネガティブな情報ばかりを流すのは勘弁してほしい(加えて、このニュースをYahooのトップに載せるのも)。 自分は障害福祉分野だけれど、「低賃金」と言われれば、確かに強く反論できるほどの業界ではないのかもしれない。厚労省による平成25年賃金構造基統計調査によれば、「社会保険、社会福祉、介護」分野(「介護」と「福祉」はやや違うのだが、以下、まとめて福祉職と呼ぶ)の年収は340万円(平均41.2歳)となる。全産業の平均は480万円くらい(平均42.1歳)なので、確かに「組織の規模も分野も問わない平均」と比べれば、低い。 ただ、福祉職はそんなに特別視されるほどの低賃金なのだろうか。

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    ytn 2015/07/14
    "重労働の定義"求められているものドンピシャではないものの、求められているものの主旨に限りなく近いものといえば職務評価・職務分析あたりになるだろうか。
  • 「障がい者」表記は人々のイメージを変えうるのか、という研究 - 泣きやむまで 泣くといい

    さて、千葉市長の発言が話題になっているようだ。 千葉市長が「障害者」にこだわる理由 「障がい」「障碍」論争に一石 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150525-00000002-withnews-soci もう、このテーマは障害者支援業界では何度となく繰り返し議論されてきたことであり、表記の問題と真摯に向き合おうとする関係者はみんな自分なりの考えをもっている。表記に何らかの社会的メッセージを込めようとするもの。特定の表記を嫌がる当事者の心情に配慮しようとするもの。世の中のイメージを変えたいと思うもの。 それらの考えを今さらひとつずつ列挙したいとも思わない。自分は「障害者」表記派であるが、他の表記を用いる人がいても「この表記において大事にしたいものが違うのだな」と思うだけである。表記によって、相手の「障害観」の全体が理解できるなんてこともない。同じ表記

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    ytn 2015/05/29
  • 「この子は障害児じゃない」が否定するもの - 泣きやむまで 泣くといい

    なんで「この子は障害児じゃない」とか軽々しく保護者に言う「事業所」があるのだろう。さらに親の育て方を責めはじめるとか、自分の理解を超えている。 「障害」を診断のように「客観的」な基準に基づこうとするものとしてとらえずに、個人の主観が入り込むことをひとまず認めるとしよう。その支援者からみて「障害児」でない子どもがいたとして、それを「障害児じゃない」ということにいったいどんな意味があるのか。 事業所に来るのは、親が悩んでいるからであり、子どもが困っているからだ。「障害じゃない」なら当事者の感じている困難さは幻なのか。親は「うちの子が障害児だから支援してほしい」と願っているわけではなく、ただ「困っているから支援してほしい」のである。 にもかかわらず、ただ「困っている」と訴えるだけでは十分な支えが得られずに、あれやこれやと責任を問われる。そこで、支援を得るための根拠として「障害」というラベルを徐々

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    ytn 2015/04/09
  • コンサルからDMが届く福祉 - 泣きやむまで 泣くといい

    先週末に事務所のポストを開けると、透明のビニールに包まれたA4サイズのDMが。捨てるのにビニールと紙の分別だけしようと封を開けて、手が止まる。 ついに障害児を支援する「放課後等デイサービス」の起業や経営改善を促すセミナーの案内がコンサルから届く時代となったのだ。半日でウン万円。ちなみに場所は東京。こちらは関西某所である。受講には合計いくらかかるのだろうか。 ご丁寧にも短めのレポートがついている。もちろん事業の社会的な価値も伝えているものの「うまくやれば儲かりまっせ(大意)」とアピール。単なる「預かり」ではなく、「療育」で付加価値をつけて、他事業所と差別化していくことの重要性を説いている。 ああ、このようにして当事者のニーズから学ぶのではない事業所が増えていくのだな、と思う。 まだ利用者がひとりもいない状態であるのに、毎日の「プログラム」を強調したり、パンフレットのビジュアルがとてもきれいだ

    コンサルからDMが届く福祉 - 泣きやむまで 泣くといい
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    ytn 2014/07/15
  • 生きづらさを「程度の問題」として捉えること - 泣きやむまで 泣くといい

    別のについて何か書こうと思っていたのだけれど、さっき風呂の中で一気に読んだコミックエッセイに考えさせられたので、そちらを。良いマンガだった。 今日もかるく絶望しています。 落ち込みがちガールの日常コミックエッセイ (メディアファクトリーのコミックエッセイ) 作者: 伊東素晴出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー発売日: 2014/01/17メディア: 単行この商品を含むブログ (5件) を見る 書店で表紙や帯などを目にした限り、ああ社会の中で生きていくのが苦手なタイプの人の話なのだろう、と思ったのだ。個人的に心をつかまれたのは帯に描かれた「疑心暗鬼がデフォルトです」というコマだった。「この人どうしてこんなに楽しそうに喋ってくれてるんだろう……内心私と話しててもつまんないって思ってたらどうしよう」。 「相手から自分はどう思われているか」について深く考えすぎる。それも悪

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  • 「こんな迷惑をかけられた」からの差別は手強い - 泣きやむまで 泣くといい

    グループホーム開設反対運動の件は、一日待ったら追加取材の記事がNHKから出てきた上に、自分がブログで紹介しようと思っていた調査を行なった研究者までその記事中に登場。なんというタイミング。 相次ぐ障害者ホーム反対の背景は http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2014_0127.html 調査結果については、twitterで少し紹介したが、量的調査が難しい領域だとも思う。どのように変数を設定すれば、コンフリクトが生じやすい「地域」像を浮かび上がらせられるのか。「新興住宅地」で多い、というのは何となくわかるが、個々の懸念や不安が大きな運動へと変わっていくダイナミズムを説明するものにはなっていない。「世代」もどのぐらい影響しているのか。良質な事例研究をたくさん読みたいとも思う。 解決策が「仲介者」に求められるのは事後対応として仕方ない。一方で、この種の話題

    「こんな迷惑をかけられた」からの差別は手強い - 泣きやむまで 泣くといい
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    ytn 2014/01/28
    『「悪い話」はたった一例あれば、反対者にとって十分であり、支援者には難しい説明が要求される。具体的な「迷惑」の経験から障害者を排除しようとすることを、人は「差別」として自覚しづらい』
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