ホテルの部屋で限定公開されていた津波の映像=岩手県宮古市田老 【伊藤智章】岩手県宮古市田老の「たろう観光ホテル」で、東日本大震災の日に押し寄せる大津波を撮影した映像DVDが盗まれ、宮古署に被害届を出したことが1日分かった。10月30日に盗まれたらしい。撮影した経営者の松本勇毅さん(55)は「返してほしい。ネットへの流出やコピーはやめてほしい」と憤っている。DVDの写しは手元に残っているという。 6階建てのホテルは、津波の直撃を受け、2階まで壁を抜かれた。松本さんは避難誘導を終えた後、6階の部屋で撮影。40年がかりで造られ10メートル以上の高さがある防潮堤を乗り越える津波が、はっきり映っている。 松本さんは、昨年10月から映像を無料で公開。ホテルは休業中だが、津波の恐怖を伝えるため、撮影した6階の部屋での上映にこだわってきた。これまでに1万人以上が見たという。部屋からは現在、流された街