村上春樹ほど日本のみならず、広く世界で読まれている作家は、かつての日本にはいなかった。文豪・漱石を凌駕する勢いだ。漱石は同時代に受け入れられ、死後その人気は増幅されている。村上春樹は現代の漱石である、と言っても過言ではあるまい。その村上春樹の作品に引用される音楽に関する本が出版された。 「村上春樹」を聴く。 -ムラカミワールドの旋律-(CD付) 作者: 小西慶太出版社/メーカー: CCCメディアハウス発売日: 2007/03/28メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 6人 クリック: 52回この商品を含むブログ (11件) を見る 小西慶太『村上春樹を聴く。ムラカミワールドの旋律』(阪急コミュニケーションズ、2007)は、村上作品に頻出する音楽にのみ目をつけ、ディスコグラフィを作成した労作であり、着眼点が面白い。それぞれのアルバムの出典する頁が、文庫本を中心に採録していることも、利用者