ずいぶんと前のことだ。ことによると10年以上経っているかも知れない。確か新聞掲載のエッセイで、こんな話を読んだ記憶が残っている。 ある女性の幼いお孫さんが、先天性の障害にともなう重い疾病を患っていたそうだ。お祖母さんはお孫さんのために、お百度参りをしようと思うと主治医に相談したところ、主治医はそんなことをしても何の影響もないからやめなさいと止めたという。 エッセイの著者もお医者さんで、確かに医学的には、お祖母さんがお百度を踏むこととお孫さんの病状には何の因果関係も期待できないとはいえ、その主治医の対応は人情としてどうだろうという疑問を投げかける内容だったように記憶している。 著者名などそれ以上詳しいことは、何も覚えていない。朝日新聞土曜別刷り「be」には、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明氏が、亡くなる直前までエッセイを連載していたが、日野原氏ではなかったような気がする。 世の中には正解の