「私自身は、棋力はアマチュア初段くらいしかないので、ツツカナが指す手の意味も、いい手なのかどうかもわからないんです。船江さんとツツカナにしかわからない世界です。 でも、これだけの舞台で戦えたことで、あとでいろんな方からツツカナの手の意味を教えられたり、誉めていただいたりしました。それがとてもうれしく、ありがたかったです」 竹内さんの話にも通じるが、開発者の多くは将棋が特別に強いわけではないため、自分のソフトが指す手を正しく評価することが難しい。プロ棋士に正面からぶつかってもらって、手塩にかけた「わが子」の長所や短所を炙り出し、本当の実力を教えてほしいというのは、彼らの多くに共通する願いなのだ。電王戦は彼らにとって、そのための貴重な場なのである。 「それにプログラマーも人間だし、将棋ファンです。プロの先生に指していただけるのは、それだけでうれしいことなんです。私は1台のマシンだけでリソースを