ブックマーク / zenn.dev/nobonobo (11)

  • Go製のTaskでクロス環境タスクランナーを書く方法

    えらく、反響があったのでちょっとまとめてみようかなと。 Taskとは? ドキュメントホーム: リポジトリ: 特徴 タスクランナーやビルドツールとしてのGNU Makeよりもシンプルに記述 シンタックスはYAMLによる宣言的でトリッキーな記述方法を含まない インストール手順はほとんどの環境むけに整備済みで最悪GoとGitさえあれば簡単にインストールできる Makefileの代わりにTaskfile.ymlを書く Gotext/template機能がプリプロセッサの役割を担っている どういった用途に向いている? 主にMakefileをタスクランナー代わりに使っていた人向けです 複雑な依存を少ない行数で記述するビルドツールとしてはGNU Makeのほうが優れています GoRustでは依存解決しつつビルドするツールを自前で持っているのでこれらのタスクランナーとして向いています(が、Rustには

    Go製のTaskでクロス環境タスクランナーを書く方法
    yug1224
    yug1224 2024/09/12
  • Goエラーハンドリング戦略

    Goのエラーハンドリングが採ったスタイル 多値返し 直積(関数の返値とエラーを両方返す) try-finallyをdeferという機構でカバー panicはプロセスを落とすためのもの Goはこの戦略でエラーハンドリングを行うとしましたので、「多値はなぜタプルじゃないんだ?」、「直和(返値orエラー)で十分じゃ?」「panic-recoverでtry-catchできそう?」などいう様な他の処理系の風習を持ち込むことは意味がありません。そしてそれらの提案の多くはすでに検討されリジェクトされてきた経緯があります。 「try組み込み関数」プロポーザルなんかも検討されマージ直前くらいまで進んだこともありますが、「Goのエラーハンドリング」にとって一長一短がありました。その欠点課題は解決できずに最終的にリジェクトされました。 「多値返し」は実にCPUフレンドリーな機構で、C言語の関数呼び出し規約にちょ

    Goエラーハンドリング戦略
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    yug1224 2024/02/09
  • Goroutineの使い方

    この記事はGo 言語 Advent Calendar 2023のシリーズ2の4日目の記事です(穴があったので入りました!)。 goroutineの特徴 コルーチンをベースにコルーチンの以下の点を改良 言語組み込みワード「go」にて起動できる M:Nスレッドシステム採用によりマルチコア分散処理が可能 ブロッキングを検出したらネイティブスレッドが独立 プリエンプティブ性を追加(Go1.14以降) 以上により、goroutineスレッドシステムはコードを書く人にとって「ネイティブスレッド」の感覚で実装を書くことができ、「コルーチン」のようにメモリやタスクスイッチ負荷が小さく、「コルーチン」のような面倒な制約(期待するレイテンシ以上にCPUビジーにしてはいけないなど)も無いといういいとこどりのスレッドシステムになりました。 ネイティブスレッドライクによる特性 ネイティブスレッドを使ったプログラミン

    Goroutineの使い方
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    yug1224 2023/12/07
  • Goが循環インポートをエラーにする理由

    循環インポートの問題点 現代のプログラミング言語の多くは1パスでプログラムコードを解釈します。インタプリタ型は当然としてC/C++も例外ではありません。つまり「コンパイル・実行」されるまでにソースコードを2度パースすることはありません。 さらにプログラム言語の多くは多重定義はバグの元なのでエラー扱いになります。なので対策の無いヘッダーファイルをincludeした時、再度同じヘッダーファイルが参照された場合に「多重定義」になってしまいます。 C/C++ではそのような「多重定義」を回避するために「インクルードガード」という対策をヘッダーファイルに施します。C/C++ではプリプロセッサという仕掛けに依存していてコンパイラは重複する定義がそれぞれどこのファイルを読み込んだ結果かを判別できません。なので「インクルードガード」という対策がヘッダーに必要なのです。 しかし、「インクルードガード」は方針が

    Goが循環インポートをエラーにする理由
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    yug1224 2023/06/17
  • Goとエラーハンドリング慣習について

    エラー返値が無用な条件 関数ないしメソッドの実装がオンメモリ操作のみで完結 将来も(メモリ以外の)I/O操作は追加されることがない 逆にいうと上記の条件のいずれかが達成できない可能性がある関数やメソッドはエラー返値を付与すべき。 返値エラー型はerrorで統一する 返すエラーがerrorインターフェース型でなければそのエラーは正常にハンドリングできません。またerrorインターフェースを満たす別の返値型で返してerrorインターフェース型で受け取るのも後述のトラブルの元です。 Goの実装方針に「インターフェースで利用するものもコンストラクター相当では構造体ポインタで返す」というものがありますがコンストラクタを呼ぶ側は元型にアクセスすることが多いのでこういう方針になっています。が、エラー値に関しては元型を意識せずに利用可能にするという役割があって、この実装方針は当てはまりません。 エラーチェ

    Goとエラーハンドリング慣習について
    yug1224
    yug1224 2023/05/21
  • 改めて見直すGoの特徴

    極力Goならではな特徴をいくつか挙げていく。 依存解決が必要最低限で互換性を考慮しつつ決定的 モジュール単位で依存をダウンロード。コンパイル対象はサブパッケージ単位。 依存の明示方法はコードに埋め込まれ、かつ未参照のインポートはコンパイルエラー。 つまり動作するコードのすべては正確な依存ツリーが明示されていて余計な依存は引き込まれない。 そして持ち前のコンパイルの速さを含め、相当深い依存ツリーでも依存解決にかかる時間は既知の処理系の中でも最速レベル。(唯一勝てるのはプリビルドバイナリが配布されている場合くらい) また、コンパイルやリンクに必要な処理量そのものが比較的少ないため、開発環境負荷も小さい。 かなり巨大なプロジェクトであってもメモリ8GBで困るようなことが無い。つまり、CI環境の維持にもローコストで済む。 ライブラリの提供側では後方互換性が破壊されるような変更はV1->V2というよ

    改めて見直すGoの特徴
    yug1224
    yug1224 2023/04/29
  • Goのローカルパッケージのインポートについて

    これでgo mod tidyが通ってしまいます。 が、単純にローカルにあるサブパッケージを参照したいためだけに マルチモジュール化+go.modにreplace手法を使うのは冗長すぎます。 もちろん、別の公開モジュールを一時的にローカルで参照したいのであればOKな手法でそのように解説しているものは問題ありませんが、初心者がそれらの記事をローカルインポートの手法であると誤解して実践しようとしてしまっているのが厄介なのです。 パッケージとは Goのコードからimport可能とするための概念 *.goファイルを含むフォルダーを「パッケージ」として扱います 同じフォルダ内のGoファイルの先頭にはpackage パッケージ名が統一されていることが必要です パッケージ名の命名が必要でフォルダ名と同じにすることが推奨されています go.modファイルが存在してしまうと単純パッケージではなくモジュールの扱

    Goのローカルパッケージのインポートについて
    yug1224
    yug1224 2023/04/01
  • Go標準でブラウザにイベントストリーミングする

    WebSocketのツラミ 中継サービスの対応がないと切れる ルーターによっては長時間アクセスがないと切れる 切れたら繋ぎなおすのはクライアントの実装次第 セキュアにつなぐためにはサーバーもクライアントも新バージョンのサポートが必要 接続数が膨れず、安定して接続を維持するのには結構ノウハウが求められる 単純に切れたら即繋ぐでは中継やサーバーに問題が発生することもある そこでEventSourceですよ メジャーブラウザでサポート・互換性も高い プロトコル仕様がただのHTTPロングポール+アルファ なのでほとんどの接続経路で中継トラブルが少ない JSのEventSource実装がセッション維持を頑張ってくれる サーバーから切断されたら再接続をしようとする 特にGoなら標準機能でさっくりサーバーが書ける クライアント実装 let es = new EventSource("/sse"); es

    Go標準でブラウザにイベントストリーミングする
    yug1224
    yug1224 2023/04/01
  • GoのTyped-nilの扱い

    package main import "log" type S struct { value interface{} } func (s *S) Get() interface{} { return s.value } type Value interface { Get() interface{} } func Do() Value { var res *S if false { res = &S{123} } return res } func main() { v := Do() if v == nil { log.Fatal("v is empty!") } log.Println("v is not empty:", v) } 空判定に引っかからず、有意な値を返されたという処理フローになっちゃうという問題。 Typed-nil問題について これは「Typed-nil」問題といっ

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    yug1224 2022/10/19
  • Goの苦手な領域

    Goの利点を使って実装するコツやノウハウを書くことがコミュニティにとってプラスになると思っているのでそれに専念したいという考えはありますが、Goの苦手な領域にGoを採用してしまってヘイトを溜め込んでしまう事例を見かけたりします。 こういう悲劇の起こる可能性を少しでも減らせたらという思いで、Goの現状の苦手な領域について解説しようと思います。Goを学び始めにこれらの領域に手を出すのは避けましょう。 Cgo is not Go GoCGO連携でC/C++資産を利用することができますが、メモリアロケータの異なる処理系を繋ぐ関係上、お互いに呼び合う際のパラメータや戻り値はほとんどのケースでコピーが必要になります(Cの型でメモリ確保しCの型のまま受け渡しする場合はOK)。なので高頻度に呼び合うような用途には不向きであるというのはSWIGなどのような複数の処理系を連携させる仕組みと同様です。 また、

    Goの苦手な領域
    yug1224
    yug1224 2021/09/20
  • Goに三項演算子が採用されない理由

    Goには「なぜ三項演算子がないの?」という意見を時々見かけます。言語開発側の意見と僕の見解をまとめていきますー。 FAQ その回答はGoのFAQに明瞭に書かれています。 Goに?:演算子がないのはなぜですか? Goには3項テスト操作がありません。 同じ結果を得るには、次を使用できます。 Goに?:がない理由は、言語の設計者が、操作が頻繁に使用されて不可解な複雑な式を作成するのを見ていたためです。 if-else形式は、長くなりますが、間違いなく明確です。 言語に必要な条件制御フロー構造は1つだけです。 ネストを許す GoPythonもif-elseが文であり、式として扱えない方針を採りました。式として扱えないということは、一定の構文でのみ記述が可能ということです。三項演算子はその性質上式として扱えることになります。 式として扱える場合なにが書けるようになるのかというと、各項や条件に式が書

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    yug1224
    yug1224 2021/04/10
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