今回の乗っ取り脅迫書き込み事件はコンピュータ犯罪に対する警察力の未熟さを明らかにしただけではなく、もっと重大で重要な問題をわれわれの目の前に提示してくれた。 取り調べの可視化については相当抵抗があったというのはみなさんの記憶に新しいことだろう。その理由がスムーズな取り調べの阻害とかそういうものではなく、冤罪者を作る手口の開示を避けるためだったということがはっきりしたわけだ。 自白をさせることそのものは、悪いこととは言えない。きちんと捜査され、最後の決め手が犯人の自白によるものである事件は沢山あるだろう。しかし、その裏で、やってもいないことを自白させられる。 人間がこんな簡単に自分がやってないことを自白するという事実は警察にとっても恐怖を与える結果なのではないか。なにしろ彼らは確信を持って犯人にうたわせ、それをもとに有罪に持ち込むのである。自白を取ると言うのは勲章であり、その撃墜数を誇るもの