東日本大震災が勃発してから、1700日。この間警察庁は継続的に被災状況の詳細を公表してきたが、10月9日現在の死者総計は15,893人、宮城県内の死者だけで9,541人に上っている。かかる情報は、震災直後には毎日更新されていたが、2014年3月からは月一回、毎月10日前後の更新に公表原則が変更された。 変更された背後には、震災からの経過時間と共に、被害状況がほぼ正確に把握されたという認識があったものと思われる。震災被災地のある部分は、震災以来の激動の波の渦中から、徐々に脱却しつつあるのかも知れない。 とはいえこうした死者の大部分は、東日本大震災が起こらなければ亡くなるはずではなかった。年間死者数が22,000人ほどであった宮城県の2011年の死者総数が30,047人、例年の1.4倍の死者数を記録する特異な年となったことが、そのことを示してもいる。 換言するなら、ここにあげた犠牲者の多くは徐
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