Invitation (インビテーション) 2006年 05月号 [雑誌] 書籍 対談で、宇多田ヒカルが「犠牲」という言葉を使い、さらに「ギリシャ神話」に触れていたのが興味深い。たぶん冥界のシシュポスの話だろう。何度も石を山の上に押し上げるが、石は転がり落ちてしまう。賽の河原に似ているが、フロイトのFort-Daのような感覚は時代や地域を超えて共通しているのかもしれない。そして彼女はまた、欠けているものを埋め合わせることが創作であると認識しているようだ。 これは布施英利が紹介した話だが、養老孟司は才能は欠落であると言っていて、ある踊りの名人がいて彼の踊りは独特で他のものが真似ができないと評されていたが、死後脳を解剖してみると運動機能に欠落があったという。しかし、乙武洋匡のような、ハンディキャップを乗り越えて努力する、それはそれで尊い姿とは微妙に別の話である。そこのところをもう少し展開しよう