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ブックマーク / banraidou3rd.hatenablog.com (9)

  • 「虐殺器官」の次にはどんな本を読んだらいいだろう? - 万来堂日記3rd(仮)

    夏になるとなぜか出版社や書評サイトが活発化するわけでして、色んな人が色んな切り口でオススメを推薦してくれます。 この「虐殺器官」は話題作ですし、やたら面白いですので、オススメのとして上げる人も少なくないのではないかと思います。 このエントリは、そんな「虐殺器官」の次に読んでほしいようなオススメを挙げるとしたら、どんなになるだろうな? というものであります。 まずは作者の他の作品 作者の他の作品を挙げるというのがまずは無難、なんですが、ご存知の方も多いでしょう、作者の伊藤計劃氏は惜しまれつつも若くして世を去っています。挙げるとしても、わずか三冊しか挙げることができません。 ハーモニー (ハヤカワ文庫JA) メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫) 伊藤計劃記録 この中で一冊オススメするとしたら、作者が「虐殺器官」の他に遺した唯一のオリジナル長編にして、死の直

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    yuiseki 2010/08/07
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  • 「あなたのための物語」 - 万来堂日記3rd(仮)

    あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) 作者:長谷 敏司早川書房Amazon 読み終えたばかりで、まだ興奮しており、心の整理が済んでいない。 大体こういうときは、後でまた何度も感想を上げなおすことになるんである。「Self-Reference ENGINE」の時もそうだったし、「ハーモニー」の時もそうだった。 もしかしたら私の頭が固いのかもしれないが、この作品はサイバーパンクのひとつの結論であるように思う(結論がこれひとつとは限らないのが、小説の素敵なところだが)。 テクノロジーが、人間の一番根源的な体験であるところの「死」に対して、何をなし得るのか。 テクノロジーが人間をどのように変えていくのか。 ギブスンのあの名作「冬のマーケット」を上回るビジョンがこの作品で展開されている。ギブスンは死そのものを迂回して、その先を描写してしまった。 死を前にしては(ある意味)何人

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    yuiseki 2009/10/10
  • 三田誠広氏がとうとうおかしなこと言い始めた件について - 万来堂日記3rd(仮)

    著作者検索ポータル、権利者団体が開設 保護期間延長は「金の問題ではない」 - ITmedia News 三田誠広氏がこんなこと言ったそうだ。引用する。 「欧米では70年に延長されているのに日だけ50年で切れている。アルベール・カミュやアーネスト・ヘミングウェイ、谷崎潤一郎、江戸川乱歩がもうすぐ死後50年を迎えるが、カミュやヘミングウェイの著作権保護期間はあと20年残り、谷崎や乱歩は切れる。谷崎や乱歩が、カミュやヘミングウェイに劣るとは思っていない。日だけ保護期間が短いのは、創作者としてたいへん残念だ」 な、なんと! そんなひどい国があるのか! この点、日はもちろん安心であって、カミュもヘミングウェイも谷崎も乱歩も、等しく死後50年で権利の保護期間は満了する。まあ、戦時加算とかの問題はあるけれど*1。 いやぁ、この程度のことしか言えなくなっちゃってるのかなぁ。だとしたらもう表には出てこ

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    yuiseki 2009/01/31
  • 「ハーモニー」は火薬と進化心理学の不幸な結婚である - 万来堂日記3rd(仮)

    ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) 作者:計劃, 伊藤早川書房Amazon読了した。これはいいわー。 百合の香り漂う表紙や粗筋からは想像つかないが、途中から戦場成分が盛り込まれてくる。だから火薬と硝煙の物語でもあった「虐殺器官」が好きだったという人も大丈夫。 そしてなによりも、「ハーモニー」が「虐殺器官」と同じ世界を舞台にしていることが、作中で示唆されている。続編かもしれないんだよ、この「ハーモニー」は。 特筆したいのは、「虐殺器官」に続いて「ハーモニー」も進化心理学的なアイデアを取り扱っていること。 アイデア的には「虐殺器官」を更にラディカルに深めたものと言っていいと思う。 副読としてお勧めしたいのは、この間も取り上げた「迷惑な進化」(迷惑な進化 病気の遺伝子はどこから来たのか)。「ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト」(ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト―最新科学が明らかにす

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    yuiseki 2009/01/13
  • 昨日に引き続き、伊藤計劃「ハーモニー」について/身も蓋もない問いかけが暴走するとき - 万来堂日記3rd(仮)

    ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) 作者:計劃, 伊藤早川書房Amazon 昨日に引き続いて「ハーモニー」の話だ。 書、及び「虐殺器官」(虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション))及びアンソロジー「虚構機関」(虚構機関―年刊日SF傑作選 (創元SF文庫))収録の短編「The Indifference Engine」についてのネタバレを含むので注意されたい。 結論としてはこういうことが言いたい。 世間一般の価値観に対して身も蓋もないまでにまっすぐな問いかけをして、納得できなければ世界ごと破壊してみせる。伊藤計劃はなんという恐ろしい作家であろうか。 それでは参ります。 以前「虐殺器官」を読んだとき、私はこんなことを書いている。 最初の方で「虐殺器官」はわかりやすいと書いた。 現実世界を敷衍したような近未来社会、適度な質感の伴う戦闘描写、理解しやすいよう、ある程度

    昨日に引き続き、伊藤計劃「ハーモニー」について/身も蓋もない問いかけが暴走するとき - 万来堂日記3rd(仮)
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    yuiseki 2009/01/13
  • 勝手にSFだけでハヤカワ文庫100冊 その1 非英語圏強襲(1〜4) - 万来堂日記3rd(仮)

    以前からハヤカワ文庫はHOT HITと題してフェアを行っていたんだけれども、それがこの秋からハヤカワ文庫の100冊としてリニューアルするのだそうで。うち10タイトルをマニア垂涎の復刻・復刊が占めていたり、25タイトルが新しいカバーになったり、フェア参加作品をすべて網羅したカラー・カタログを作ったりとかなり気モードに入っているみたいだ。 そういうのを見ると、収集癖のある読みってのはいてもたってもいられなくなるってものであって、ねえ旦那。 思わずSF関係だけでハヤカワ文庫から100タイトル、リストアップしたりしてしまった。 いや、いざリストを眺めてみると、有名な作品を実は読んでいないなんてのがかなりあったりして、どうにもこうにも変なリストなんだが。例えば、アシモフのファウンデーションシリーズが未だに未読だったりする。いや、持ってはいるんですよ、持っては。つーか、映画化するってんでこないだ買

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    yuiseki 2008/09/04
  • RFIDについて。 もしくは我が転向 - 万来堂日記3rd(仮)

    RFIDっつうのがありまして。ICタグとか電子タグとか呼ばれたりもしているんですが。 まあ、詳しくはウィキペディアの該当項目貼っとくので、そちらどうぞ(RFID - Wikipedia)。 いや、なんかRFIDを出版流通に導入する(てかに埋め込む)とか、図書館に導入するってな話がありましてね。 実証実験やってまして、またね、効果がでてるんだわ。 家電業界では万引きへの効果も実験していたり(家電業界におけるUHF帯電子タグ実証実験 (application/pdf オブジェクト))。 図書館でも行方不明のが減っていたり(JOHOKANRI : Vol. 49 (2006) , No. 3 p.113-122)。 出版業界でも導入実験をやって作業の効率化に成功したりしている(平成18年度出版業界における流通効率化の実証実験) *1 で、便利そうじゃないですか。盗品の持ち込みを減らすっていう

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    yuiseki 2008/03/03
  • 森博嗣氏のよくあるタイプの新古書店批判。というか著作権があるからなんだというのか。 或いは むしろ燃やせ。 - 万来堂日記3rd(仮)

    MORI LOG ACADEMY: 中古品の著作権 人気作家、森博嗣氏が図書館や新古書店に異議を唱えている。 ただ、少々耳にタコというか、もう聞き飽きたというか、よくあるタイプの凡庸な批判だ。 正直、この森氏の日記も最初に読んだときは頭に血が上ったが、風呂に入ってから読み直してみると、なんということもない。 おそらく、あまり深く考えずに、なんとなく自らの印象を書いただけなんだろうな。 この問題については、以前にエントリを書いたことがある。 万来堂日記2nd - 新古書店が金を払えと言われる二つの理由と、俺が金を払いたくねえなあと思う二つの理由 森氏の日記から引用すると 中古販売自体は、僕はそれほど問題だとは考えていない。どんなものにも中古品市場はある。販売してはいけない、という道理はないだろう。それでも、「著作権」というものがあるわけで、たとえば、ただで譲ってもらったから、あるいは拾ったか

    森博嗣氏のよくあるタイプの新古書店批判。というか著作権があるからなんだというのか。 或いは むしろ燃やせ。 - 万来堂日記3rd(仮)
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    yuiseki 2007/05/13
  • 活字の本とコミュニケーション っつーか盛り上がるのに不利がある件について - 万来堂日記3rd(仮)

    昔から活字のを読むのが割りと好きだった。で、高校生になってすぐあたりでフィリップ・K・ディックの名高い長編「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を読み、さっぱりわけがわからなかったのだけれどそのわけのわからなさに圧倒され、海外SF小説をよく読むようになった。 以来、SFに注目してきたおかげで多くの(私にとって)良いと出合うことが出来た。若い頃に比べると読書のペースは劇的に落ちてしまったとはいえ、高校生から今に至るまでSF小説を読み続けているのだから、これはもう中毒みたいなものかもしれない。 で、高校生とか大学生とか、まだ血の気の多かった頃(あったんですよ、私にも)、不思議でしょうがないことがあった。 「SF小説はこんなに面白いのに、なぜまわりの皆や世間の皆はいまひとつ盛り上がっていないんだろう?」 当何故なんだろう? あれか? 読者の水準が落ちているって奴か?(まさにこんなこと考え

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    yuiseki
    yuiseki 2006/06/26
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