タグ

ブックマーク / kmiura.hateblo.jp (10)

  • 理解という許容 - kom’s log

    われわれが避けねばならぬのは、「理解するよう努める」ということの罠である。つまり、低線量被曝の確率的な健康被害が決着のつかぬ議論となる主要な理由は、誰もがそれを「理解しよう」と努めることにある。そういった態度の紋切り型の一つに従えば、「何が起きているかを説明しようとすれば、少なくとも広島長崎のLSS調査の統計的な手法とその解釈を理解し、測定誤差や精度の理論、内部被曝の臓器モデルなどあれこれについて知識を得なければならない」ということになるが、放射線の健康に対する影響の「複雑さ」をこのように強制的に喚起させることが結局何に貢献するかといえば、健康被害に注がれる疫学的眼差し、つまりは集団レベルで記述された健康被害に対して観察者(同時に被害者)という個人が保っている距離を維持することに貢献するのである。言い換えるなら、福島原発の事故以後の出来事が証明しているのは、「理解することは許すことだ」とい

    理解という許容 - kom’s log
    yuiseki
    yuiseki 2012/06/23
  • 2008-07-07 - kom’s log - 民主と私刑

    毎日新聞の海外向け記事の件に関して藤代氏は私刑の主体がマスコミから”ミドルメディア”に広がり拡大している、目下の日が私刑化する社会であることの傍証であると7月7日付の記事で述べている。記事にリンクされた『インターネットと「私刑」化する社会』、という目下の日社会に対する藤代氏による年初頭の分析を眺めて、なるほどと思う。 しかしながら、私刑社会はいまさらはじまった話でもないのではないか、と私は考え直す。日の道徳規範は私刑にかしずく世間体であってきた(e.g.村八分)。「私刑化」というまでもなく私刑は日の社会システムの根源的な一部なのである。裁きの主体は裁判官ではなくて”みんな”。いじめ自体は日にかぎった話ではない。米国にもドイツにもある。しかしながら、私刑がシステムとして形を変えながら歴史を通じ今でも幅を利かせる部分に日に特有な部分がある*1。マスコミからネットへ、という藤代氏の指

    2008-07-07 - kom’s log - 民主と私刑
    yuiseki
    yuiseki 2008/07/09
  • 2007-04-15

    結局朝の6時半まで仕事。 青梗菜を漬けてみたら、これがけっこう雅やかな味である。糠に塩、昆布、煎茶を加入。 永井和さんの『日軍の慰安所政策について』の「おわりに」を読んだときに、この部分だけ妙にあらっぽいな、と思った部分があった。 国家と性の関係は現実に大きく転換したが、売春=性的労働を「公序良俗」に反する行為、道徳的に「恥ずべき行為」であるとする意識、さらに慰安婦を「醜業婦」と見なす意識はそのまま保持され続け、そこに生じた乖離が上記のような隠蔽政策を生み出すにいたった。慰安婦は軍・国家から性的「奉仕」を要求されると同時に、その関係を軍・国家によってたえず否認され続ける女性達であった。このこと自体が、すでに象徴的な意味においてレイプといってよいだろう。 最後のところでいきなりレイプか、間の説明が不足している、と思っていたんだけど(前にもそれを”無理な部分がある”と私は書いた)、その説明が

    2007-04-15
    yuiseki
    yuiseki 2007/04/15
  • 匿名について - kom’s log

    ネットにおける匿名の記事発信に関してはあるていどコンセンサスのある見解が流通している。すなわち次のようなことだ。ネット上においては言論がすべてであり、その内容と経歴によって人格が形成される。したがって匿名であっても個別認識が可能であり、戸籍に登録された氏名よりもよっぽど意味のある場合だってある。 この論理に私はうなずく。なるほど、ということでじゃあ実は匿名ではなくてネット実名なわけね、と得心する。しかしながら、だからネット実名で戸籍実名を批判することは正当である、といわれると私は留保をつけたくなる。なにやってもいいわけではない。順番に説明する。 ネット実名の個人が互いにその世界の内側で罵倒や応酬を繰り返すだけならば私はどんどんやればいい、と思う。でも少々事情がかわるのがネット実名とネット匿名のクラッシュだ。ネット匿名に対してネット実名は脆弱である。なぜならば、ネット実名には守りたいそのネッ

    匿名について - kom’s log
    yuiseki
    yuiseki 2007/01/27
  • kom’s log - 戦争をしない国

    粒子物理で宇宙線のモンテカルロ・シミュレーションをやっているひととディスカッション。実は隣のマックスプランクにいる彼の専門のことはこれまで知らなかったのだが、たまたま最近判明してもりあがった。モンテカルロの並列化についていろいろおしえてみらう。今後お世話になるなあ。フォートランの方がCより速い、とかいっていた。ほんとかよ。 所内報のエディターと打ち合わせ。昨晩ながながと書いた牛涎な文章を「エディットしたらOKね」とのことでありがたがってくれた。ほっとひといき。 来月のミーティングのことで、パリ・エコール・デ・ミンの数理形態学センターのひとたちとメールやりとり。ヴィデオコンファレンスにしようということで、ビデオ参加したいというオックスフォードの支所に連絡。うちの部門のヘッドがゲストのメンツになんか妙にびびっているので、エコール・デ・ミンってなんじゃね、とフランス人ジェローム君に聴いたら、パリ

    kom’s log - 戦争をしない国
    yuiseki
    yuiseki 2007/01/24
  • 新教育基本法 下位法の制定に注意せよ---kom’s log

    頼まれていた所内報のエッセイがく〆切間近。調子じゃないんで、だらだら書いていたら牛の涎のごときひどい文章だ。目もあてられん。どうしよ。とりあえず出してあとで考えよう。 ひらがなに変換したこのサイト。雰囲気かわるなあ。次のサイトをつかいました。 リンク: ひらがなゲートウェイ 自分が漢字に依拠していることがよくわかる。リンク先までひらがなになるのですごいです。このサイトだったらひらがなでもいいだろうなあ、と思ったのは空中キャンプで、やってみたら確かにそう。ひらがなにあった文体がある。 それにしても、ロシア人がウォッカを飲みつつ谷崎を読んでる、なんて絵はなかなか面白い。 id:sue:20070122#p3 こりゃなんかいいなあ。国籍ネタですな。まぜっかえそう。 ルパン三世を見て眉をひそめるドイツ人 司馬遼太郎を読んで血気にはやるアイルランド人 レゲエを聴きながら正岡子規を読むブラジル人 砂

    新教育基本法 下位法の制定に注意せよ---kom’s log
    yuiseki
    yuiseki 2007/01/24
  • kom’s log - 重層性

    大雪のあと深夜に雪が止んだ。タバコを吸おうと外に出ると意外に風が強い。月夜にやわらかく発光する雪原を眺めながら女の肌を思い出した。 仲俣さんのこのテキストに関して、ロスジェネ(勝手に省略)の定義に関する妥当性の検討*1は、いかにもウェブ的というか情報蓄積の良心というかなんというか、日文化の精密で良質な部分を体現していると思う。 でもそれだけでおわっちゃいかんと私は思ったりする。なぜならば、仲俣さんの記事を長期にわたって読んでいる人間にはその流れの中で感読できるけれど、ブクマ的な断片情報のピックアップで読んでいるだけではわからない内容が含まれているからなのだ。*2 というか、このトピックは重要だ。三年前のことを思い出したのだけれど、今思い出せば東某がそのころにさかんに立てていた世代論の枠組みに対して私は、え?と思っていたのであるが(そう、あのリリカさんも世代なんていわれたら経験のない私はど

    kom’s log - 重層性
    yuiseki
    yuiseki 2007/01/09
  • 片栗粉の増粘機能 - kom’s log

    昨夜、空手のあとに師匠とビールを飲みに行った。師匠があまり飲まないので今日はまた病気か、とひやかしたら、いや、明日は授業があるからあんまり飲めないのだ、という。業はパン屋の職人なので、なんでまたそんなことをしているのだ、という話になった。なんでも、教会学校で子供たちに信仰を教えている、のだという。信じることをそもそも教えることは可能なのか、という話をしているうちに、彼は現代社会における信仰の役割の重要性について持論を展開し始めた。すなわち、現代社会は個人主義が深化しすぎて、モラルの低下やコミュニティ意識の希薄化が著しい、かくしてそこに信仰の重大な役割が浮上しているのだ、という。わかる?と確認するので、Sossebinderとしての宗教ね、と答えたらとても喜んでいた。Sossebinderとは直訳すれば「ソースの増粘剤」、ドイツ語で片栗粉のことである。そう、Sossebinderなのだ、こ

    片栗粉の増粘機能 - kom’s log
    yuiseki
    yuiseki 2006/12/13
  • kom’s log パワーポイントをフラッシュに変換する無料ソフト

    ルモンド・ディプロマティークの編集長による安倍晋三の評価。内容は簡潔にまとまっている。ポイントは、北朝鮮への強硬姿勢で売りだした三代目超タカ派にして親米追従のこの首相をもってして、東アジアの緊張状態は高まらざるをえないであろう、としている。 北朝鮮に対するより強硬な姿勢とさらなる制裁措置が必要であると声を上げたが、そこに大衆扇動的な面がなかったわけではない。蔑視的な反朝感情に訴え、多くのメディアがそれに追随した。このようにして安倍氏は支持を得た。 (中略) 安倍氏がソウルに到着した10月9日に北朝鮮が非難されるべき核実験を行ったのは、彼らが日の新首相をどれほど危険視しているかを知らせるために違いない。この無責任な警告は、全世界に不安を持って受けとめられた。と同時に、この事件は、安倍氏がそのナショナリズム路線を変更しない限り(考えにくいことではある)、北東アジアの緊張はほとんど解消されない

    kom’s log パワーポイントをフラッシュに変換する無料ソフト
    yuiseki
    yuiseki 2006/12/07
    日本はじまったなwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
  •  転換の時代に - kom’s log

    安倍”憲法改正”内閣のステップ1である教育法改正が通過した。内閣の目的は「憲法改正」にあるのだから、与党にしてみればまだまだこれから、って感じなんだろうなあ。なんにしろ、政治的な意味での歴史的転換が2006年11月に結節した、ということになる。そして共謀罪、憲法改正などなどさらなる結節点が続くわけだ。 見ている限り、反対しようがなにしようが法案は通ってしまうので(というか、反対してうまくいったためしがあるのだろうかとその効果を私は考えてしまう)、やってくるあらたな権力の形にどうやって私たちは生きるか、ということを無力な普通の人間は考えなければならないわけだ。おせっかいな国家権力のなかで生きた人々の記録はあまたあるのだけれど、ひとつだけ良いニュースを言っておけば、いかなるひどい国家権力の元でも人々は通常の生活をおくり、それなりに幸せをみつけて生きることができる、という点だ。ナチスの政権下

     転換の時代に - kom’s log
    yuiseki
    yuiseki 2006/11/17
  • 1