安倍自民党や橋下維新の衆院選勝利によって、現代日本にグローバリズムとナショナリズムの混淆態が「支配的イデオロギー」になったとして、今年の参議院選挙目前を期して公刊された書籍。橋下氏および橋下維新を特に批判の主眼においているともとれ、前大阪市長の平松邦夫氏の参加によってさらにその色彩が濃厚になっている政治的なメッセージの強い本だ。 経済関係を中心にみれば駄本であり、(中島岳志氏の)リフレ政策関係では誤解、間違いのオンパレードである。また内田樹氏の贈与経済論や小さいコミュニティ中心の経済の再構築も、既存の経済との関係が一方的に遮断されていて、彼の想念だけであれば面白いのかもしれないが、あまりにも現実感がない。現実感のない経済論を展開しながら、本人にその自覚もない。また先ほども書いたが橋下氏への批判が顕著だが、他方で、内田氏の言説自身は、他者からの客観的な批判を十分に咀嚼してこなかた気がする。簡