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ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (12)

  • 内田樹他『脱グローバル論』

    安倍自民党や橋下維新の衆院選勝利によって、現代日にグローバリズムとナショナリズムの混淆態が「支配的イデオロギー」になったとして、今年の参議院選挙目前を期して公刊された書籍。橋下氏および橋下維新を特に批判の主眼においているともとれ、前大阪市長の平松邦夫氏の参加によってさらにその色彩が濃厚になっている政治的なメッセージの強いだ。 経済関係を中心にみれば駄であり、(中島岳志氏の)リフレ政策関係では誤解、間違いのオンパレードである。また内田樹氏の贈与経済論や小さいコミュニティ中心の経済の再構築も、既存の経済との関係が一方的に遮断されていて、彼の想念だけであれば面白いのかもしれないが、あまりにも現実感がない。現実感のない経済論を展開しながら、人にその自覚もない。また先ほども書いたが橋下氏への批判が顕著だが、他方で、内田氏の言説自身は、他者からの客観的な批判を十分に咀嚼してこなかた気がする。簡

    内田樹他『脱グローバル論』
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    yuiseki 2013/07/02
  • 学校選択制といじめ(メモ書き)

    松尾匡さんがホームページのエッセイで「学校選択制の外部性が大津いじめ事件を生んだ」http://t.co/UicP0sI9というものを書かれた。簡単にいうと市場の失敗としていじめをとらえている。 以下、抜粋。 学校選択制が事件の隠蔽をもたらしたのではないかということが書いてあります。 これはそのとおりだと思います。こんなふうに言うと、「教育には競争原理わぁ〜」とかの神学論争が始まるのかとお思いのかたもいらっしゃるでしょうけど、そんなこととは関係なくて、全くもって身もふたもない「経済学」の理屈でこれが言えるのです。 普通の商品で市場メカニズムがうまく働くのは、コストや便益が取引当事者にだけかかってくるからです。 取引当事者の外にまでコストや便益が及んでしまうことは、「外部性」と呼ばれ、これがあると市場メカニズムはうまく働かなくなります。例えば「公害」なんかが典型的例として言われます。 この「

    学校選択制といじめ(メモ書き)
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    yuiseki 2012/08/24
  • 意識をめぐる論点メモ

    9月8日の現代思想×保守×リフレのトークイベント用の備忘録。去年のクリスマスイブにやった稲葉振一郎さん、山形浩生さんと僕との公開討論会での稲葉さんの発言を(ご人の了解はないがw…稲葉さんに差し支えがあったら無念だけどこのエントリーは削除するですw)以下に特に注目すべき個所である「意識」をめぐるところをまず引用。 稲葉:いまのSFの中で一番人気があるテーマは「意識」なんです。意識論の土台にあるのはデイヴィッド・チャーマーズのゾンビ論とか意識のハードプロブレム論です。チャーマーズという哲学者もドーキンス・チルドレンであって、意識という別の実在問題があるということを言っていて、それで何がしたいかというと、デネットの心の哲学の批判をしたいわけです。デネットの心の哲学はドーキンスに影響を受けていて、意識というのは情報プロセスであって、情報プロセスというのは物理プロセスで生命現象と連続線上にあるとい

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    yuiseki 2012/08/19
  • 関東大震災における経済学者の活動

    東大震災のときの経済学者の活動についてのメモ。ここでいう「活動」は単なる講義、論文書きや各種メディアへの寄稿を意味するのではなく、政府とのかかわり、政府への政策提言などにかかわるものである。これらの「活動」以外では、(経済学者ではなく後に経済学者になるものの)兵役従事、日記、あるいは震災調査(福田徳三、小泉信三ら)がある。 以下では関東大震災のときの経済学者の最も活発だった「政府外での活動」についての簡単なメモ。それは二十三日会でのもの。当時の総合雑誌『改造』の社長山実彦が音頭をとったもの。政府の復興政策への対案提出を企図して結成された。メンバーは堀江帰一(慶應義塾教授)、福田徳三(東京高商教授)、政治学者の吉野作造(東大教授)が中心。経済学者はこの二名だけだが、堀江と福田は中心になって活動した。彼らは失業救済、火災保険問題、朝鮮人&社会主義者虐殺事件<特に大杉栄事件>について討議し決

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    yuiseki 2011/05/08
  • 小林恭子・白井聡・塚越健司・津田大介・八田真行・浜野喬士・孫崎亨『日本人が知らないウィキリークス』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    書は僕のようにウィキリークスについてまったく知識がない人に必要な情報を濃縮して提供してくれるとてもいいだと思う。特に冒頭の塚越氏によるウィキリークスのいままでの活動やそのリーダージュリアン・アサンジについての来歴についての展望は、これだけ読むだけでもウィキリークスについてお腹満腹の情報を提供してくれる便利なものである。 他の論説は正直、どこがウィキリークスに関係するのか? というものもあるのだが、新奇な話題であるだけにそれはやむをえないかもしれない。僕が塚越氏の展望以外で、じっくり読む気になったのは、八田氏のウィキリークスのリーク元の匿名性を担保する技術とそれを裏付ける思想を追った章である。これは塚越展望を補うものだ。他には津田氏の論説を読めば、この新書のウィキリークスとは何か、その今後の問題は何か、を知るには十分だと思う。 しかしリークといえば、このブログでも何年も前から日銀行のリ

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    yuiseki 2011/02/07
  • 河合幹雄「マンガ表現の規制強化を問う」

    めったに読まない、というかしばしば呆れてる雑誌筆頭『世界』。しかし今号は違うw。クルーグマンの論説の翻訳があったり、木村剛についてのルポもあり読ませる。ここでは河合幹雄氏のマンガ規制についての論説を紹介。 ご存じのように日、都議会の総務委員会はマンガ規制条例案を可決した。会議でも可決するのだろう。スキルの不足する議員たち(いったい何人が政策策定能力があるのだろうか?)、官僚のリークによる政策過程の空洞化、都の恣意性の強いガバナンス、一部の「識者」の「私物化」となっている各種委員会や行事の在り方、またマンガ規制自体の実証的根拠のなさと、それを支える主張の反対賛成を超えたあまりに感情的な表出など、まさにこの都条例問題は、僕からみると日銀行問題の別様の縮図でしかない。 いまあげたほぼすべての論点を河合氏は彼独自の視点からまとめていてとても有益だ。 まず冒頭で、6月の否決を促した条例反対運動

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    yuiseki 2010/12/18
  • もうなんといっていいやらお手上げ - Economics Lovers Live

    3月10日には全国発売(早いところではその前の週末にはでてるかも)する予定の、拙著『雇用大崩壊ー失業率10%時代の到来』(NHK出版、生活人新書)の見をいただく*1。 昨年の当に末に語り下ろしたものに、つい最近までの議論を取り込んだもの。いま取り組んでいるネットカフェ難民論、そして福田徳三論と事実上の三部作のような感じで、ここしばらく熱中して取り組んでいるわけである。まあ、そのほかにもいろいろあって当に大変になってきたわけですが。 松尾匡さんに負ける?わけにはいかないので、頑張って仕事に励むことにしたいと思います。 *1:とりあえず説明しておきますが、「失業率10%」はいわゆる「真の失業率」の最悪パターン 田村耕太郎参議院議員(自民)のブログより 政府紙幣議連に日銀登場 http://kotarotamura.net/b/blog/index.php?itemid=4132 政府紙幣

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    yuiseki 2009/03/04
  • いわゆる「新前川レポート」的なものを読む

    大竹文雄氏作成の「グローバル経済に生きる −日経済の「若返り」を −」http://www.keizai-shimon.go.jp/special/economy/item1.pdfを読む。一言でいうと無残である。確か報道では新しい「前川レポート」をつくる、という趣旨だったように憶えている。今回の新「前川レポート」*1は、その批判と成果(??)の上に立脚しているはずだが、残念ながらその種の作業が行われ活かされているのか疑問である。 「前川レポート」というのは1986年に当時の中曽根康弘首相の私的諮問機関が発表した文章である、少なくとも経済学者の側の批判では小宮隆太郎氏らによってその政策目的と政策手法の組合せ、採用されている(非)経済学的発想の是非をめぐって議論が行われてきたものである。そしてほぼ「前川レポート」については以下の評価が妥当する。 「前川レポート」は日が黒字減らしをすると宣

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    yuiseki 2008/07/03
  • ハンバーガー統計学 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    飯田さんのをもう一冊欲しくなって(やる気のある学生の副読=貸与用)、アマゾンのレビューをみたら、なかなかいい情報あり。 ハンバーガー統計学 http://kogolab.jp/elearn/hamburger/ あとでゆっくり見ておこう。個人的には、回帰分析のは何冊も読むよりも以下推奨(あら、とっくに新版がでてるんだ)。翻訳もあるけれどもみたことないなあ。 Regression Analysis by Example (Wiley Series in Probabilityand Statistics) 作者: Samprit Chatterjee,Ali S. Hadi出版社/メーカー: Wiley-Interscience発売日: 2006/07/21メディア: ハードカバーこの商品を含むブログ (3件) を見る

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    yuiseki 2008/05/11
  • 2008-04-21

    最近、ちまた(ネット)で流行るものといえば、栗原裕一郎さんも注目しているトレンドがあります*1。 いまニセ経済学が熱い http://d.hatena.ne.jp/ykurihara/20080421#1208763350 :優柔不断はダメダメ! メディアはもっと毅然としなきゃ!! いろいろな意味で一スジがとおっている岩波や朝日を見習って!!!(苦笑): そんな栗原さんのいうところの「一スジがとおり過ぎたいあなた」(誰のこっちゃ?)におススメするのが以下のです。ニセ経済学もとい、複素経済学や超合金経済学や多元宇宙的街角経済学を「格派」の土壌にまで持っていくならば次の六冊はぜひ読んでおきたいところ。つうか以下のぐらい読んでないのに新書レベルいくら読んでも僕の複素経済学のレベル10段に遠く及ばない(私、自慢ではないですが、複素経済学を批判するためには批判する側をよく知らねば、という立

    2008-04-21
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    yuiseki 2008/04/26
  • Economics Lovers Live - タミフル問題を考える素材集

    タミフル問題についてITOKさんにお願いして主にネットで収集できる資料・議論を中心にまとめてみました。これはもちろん素人がこの問題に関心をもって(専門家もしくは関係機関などのソースから)いくつかの論点を抽出し、自分たちなりに議論を整理するために行ったものです。僕の貢献は全然ありません。ITOKさんありがとうございます。また同様の試みとして私が目にしたものでは、finalventさんのエントリーも有益で下の私たちのものと補い合うと思いました。 なおタミフルの副作用問題に直接は関連しませんが、間接的な問題圏といえるインフルエンザの世界的流行(パンデミック)を扱った著作について以前、僕は書評を書いたことがあります。このブログの過去エントリーにも掲載しましたが、関連もするかな、と思いここにも再掲載します。それと経済学者としてはポズナーの一連の著作が参考になるはずですが日時間があれば紹介します。

    Economics Lovers Live - タミフル問題を考える素材集
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    yuiseki 2007/03/30
  • Economics Lovers Live [経済] スティグリッツ『月刊現代』4月号インタビュー

    的な柱はふたつ 1 グローバリゼーションがすべての国を幸せにするわけではない。特に発展途上国の場合(ミシュキンらのグローバリゼーション肯定論は、金融の国際化しかみておらず、またアジア経済危機などの教訓を無視していると批判) 2 IMFなど国際的機関のガバナンスへの批判。国際的な視野からの「政治の失敗」論といえるでしょう。 ここらへんの議論はスティグリッツの近著『世界に格差をバラまくグローバリズムを正す』の敷衍になっています。このスティグリッツの新著については私は『エコノミスト』誌で書評を書きました。ここに掲載してありますので参照ください。 インタビューアーの「日の格差についてはどう思うか」という趣旨の質問について、スティグリッツはグローバリゼーションが日の未熟練労働者の生活水準を(発展途上国との未熟練労働者との競争の結果)押し下げているだろうことは否定できない、と発言。しかし格差が

    Economics Lovers Live [経済] スティグリッツ『月刊現代』4月号インタビュー
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    yuiseki 2007/03/03
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