「ISの弱体化」──混迷を極める中東地域において朗報に思えるこのニュースは、実は新たな危機の始まりに過ぎないという。 世界中に混乱をもたらしているシリア内戦が始まってから、すでに5年半が経過。膠着状態に思えた紛争は、ロシアの軍事介入や2016年8月に再開された和平交渉によってどのように変化しているのか。 気鋭の中東政治研究家は、「世界は問題の本質を見誤っている」と指摘する。 青山弘之 Hiroyuki Aoyama 1968年、東京生まれ。東京外国語大学教授。シリアのダマスカス・フランス・アラブ研究所(IFPO、旧IFEAD)研究員、JETROアジア経済研究所研究員を経て現職。専門はシリア、レバノンの政治、思想、歴史。編著書に『混迷するシリア:歴史と政治構造から読み解く』(岩波書店)、『「アラブの心臓」に何が起きているのか:現代中東の実像』(岩波書店)などがある。「アラブの春顛末記:最新シ
![「危機の本質は、ISでもテロでもない」気鋭の中東政治研究家が提言!](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/26cb7675eb843b66b95d1f1855399634cc4869e0/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcourrier.jp%2Fmedia%2F2016%2F08%2F29012812%2Fwappen_0825_isram_a-1.jpg)