京都大学の西脇真二教授らは、製品表面や内部の熱の流れを最適化する計算手法を開発した。製品形状の設計に使われる「トポロジー最適化」という計算手法を熱流の設計に応用した。最も優れた熱の流し方を理論的に求めることが可能になる。電子基板上で熱から守りたい電子部品を避けるように熱を流しつつ効率的に空冷するなど、複雑な熱設計に提案していく。 物体中の熱の伝わり方を最適化して効率的な熱の流れを求める。熱伝導性の違う樹脂の配置や比率を最適化し、特定部位に熱が流れにくい筐体(きょうたい)を設計した。さらに筐体の表面に金属の縞(しま)構造を作り、縞に沿って熱を流す。 開発に当たり方向をもったベクトルデータをトポロジー最適化で扱う手法などを考案した。筐体を熱が流れる向きの分布を求め、その上に縞が自発的にまとまる自己組織化アルゴリズムを利用して縞の構造を生成する。すると縞構造に沿って熱の流れが加速される。 実際に