樋口毅宏「さらば雑司ヶ谷」をようやく読んだ。直木賞と大薮春彦賞を同時に受賞してほしいくらいの傑作。 以下、新潮社のサイトより。 醜い奴らは、ゲリラ豪雨で皆殺し。ひねりとバカ笑いに満ちた新世紀のH(ハードボイルド)&V(バイオレンス)小説。 俺はここで生まれ、育ち、歪んだ。東京の田舎、雑司ヶ谷。友人が殺され、女が消えた。この町に別れを告げる前に〈大掃除〉をしておく。町を支配する宗教団体、中国人と耳のない男、俺の危機……豪雨を降らせ、霊園からあの世へ送りだしてやる。原りょう、馳星周ら偉大なる先達の傑作に肩を並べる暗黒小説が、ここに降臨! とにかく隅から隅まで面白い。人の命をクソみたいに粗末に扱う登場人物の行動にシビれまくる。 ストーリーの本筋と関係ない会話もカッコよすぎる。 雑司ヶ谷の甘味処「よしの」で、常連客が「人類史上最高の音楽家は誰か」という死ぬほどくだらない議論に花を咲かせる場面。ジョ