週刊誌が今、過激さを競い合うのは活字不況、つまり売れないのが大きな理由ではないか。かつて1誌で100万部も売れていた時代は夢の夢。万人を納得させるより、敵か味方か、白黒はっきりさせて、数は減ってもそれを好んで買ってくれる読者に的を絞る方が何とか商売が成り立つかもしれない。で、エスカレートする−−。 一昨年春、本コラムの1回目にこんな話を私は書いた。既に連載中止が決まった記事を蒸し返すのも……と思ったが、あのコラムを書いて以来ずっと同じ問題意識を持ってきた者として、やはり触れざるを得ない。橋下徹大阪市長の出自を暴き立てようとした「週刊朝日」の記事である。 先週のTBS「みのもんたの朝ズバッ!」でも話した通り、一読して感じたのは「これは許してはいけない」という怒りだった。少なくとも編集部は橋下氏から反論されるリスクは認識していただろう。いや、むしろ反論してもらいテレビやネットで話題になった方が
NHKは31日、4月からの新年度のキャスターを発表した。東日本大震災の被災地支援を重視し、全国放送で活躍するベテランのアナウンサー2人を被災地の放送局に配属する。 「ニュース7」「ニュース9」などのキャスター経験がある畠山智之エグゼクティブアナウンサー(53)が仙台放送局で、「おはよう日本」など報道番組で活躍してきた伊藤博英エグゼクティブアナウンサー(56)が福島放送局で、それぞれローカルのニュース番組などを担当する。伊藤さんは岩手県出身、宮城県育ち。 また、平日午後の新番組「連続クイズ ホールドオン!」の司会は武内陶子アナウンサー(46)が務める。テレビの仕事は、09年12月に産休のため「スタジオパークからこんにちは」を降板して以来。【土屋渓】
2010年に米サンフランシスコで開かれたアップルのイベントの後、笑顔を見せるスティーブ・ジョブズ氏=ロイター アップルの取締役会とアップル・コミュニティーへ(全文) 私はこれまで、アップルのCEOとしての責務や期待に応えられない日が来たときには、まず自分からあなた方に打ち明けると言ってきた。残念ながら、その日が来てしまった。 これにより、私はアップルのCEOを辞任する。取締役会の承認が得られれば、私は取締役会長や取締役、アップルの従業員として従事したい。 後継者については、事業継承の計画を実行し、ティム・クックをCEOに就任させることを強く薦める。 アップルの未来は明るく、とても革新的なものだと信じている。私は新しい役割において、その成功を見守り、貢献するのを楽しみにしている。 私はアップルにおいて人生で最も大切な友達を得た。あなたたちと共に長年働くことができたことを感謝している。 スティ
米西部コロラド州ブルームフィールドで約5年前に行方不明になったメスの三毛猫ウィローが14日、約2600キロ東のニューヨーク・マンハッタンの街角で発見された。AP通信が伝えた。 北海道・宗谷岬-沖縄本島間にあたる距離を旅したウィローは6歳になり、体重も約700グラム増えて約3.2キロに成長。14日、マンハッタンの路上で拾われ、動物愛護団体の検査で体内に埋め込まれた識別用のマイクロチップの存在が分かり、飼い主との再会が実現することになった。 自宅周辺でコヨーテに襲われたと思っていた飼い主は「信じられない」と大喜びしているという。 ペット用のマイクロチップは世界的に普及が進んでおり、フランスやシンガポールなどでは装着が義務化されている。米国や日本の普及率は数%だという。【秋山信一】
◇死者の尊厳守る大切さ痛感 東日本大震災の発生後、宮城県内の行方不明者の捜索現場に何度も足を運んでいる。カイロ特派員だった05年4月からの4年間、私は中東各地のテロ現場や戦場を歩き、尊厳を軽んじられた理不尽な死の現場を度々取材した。震災でも多くの命が理不尽に奪われたが、その人たちを家族の元に帰す捜索には心がこもっていた。私が捜索現場に足しげく通うのは、死者の尊厳を重んじる「人間性」を再確認したかったためではないか。今、そう感じている。 震災発生から半年を前に、石巻市北東部の汽水湖「長面浦(ながつらうら)」に車を走らせた。北上川の河口に近い同浦の海底には多くの車両やがれきが沈み、流されてきた住宅の屋根がところどころに見える。8月中旬以降、サルベージ船によって引き揚げられた車両などから遺体3体が収容された。 だが内奥部の岸のがれきの撤去は進んでいない。道路が冠水し、重機がたどり着けないからだ。
鉢呂吉雄経済産業相が東京電力福島第1原発の視察を終えた8日夜、東京都内で報道陣の一人に近寄って防災服をすりつける仕草をし、「放射能をつけたぞ」という趣旨の発言をした。不用意な行動と批判されるのは必至で、原発を所管する担当閣僚としての資質が問われそうだ。 鉢呂氏は防災服をすりつける仕草をした後、記者団に「除染をしっかりしないといけないと思った」と強調した。報道陣は、鉢呂氏の福島第1原発の視察後の見解を聞くため、取材していた。鉢呂氏は9日、仕草について「厳しい状況だったということを話した」と周囲に釈明している。 鉢呂氏は9日午前の会見で、福島第1原発の周辺市町村を「死の町」と発言。野田佳彦首相が訂正を求め、鉢呂氏は同日午後の会見で発言を撤回し、陳謝した。鉢呂氏は8日、野田首相に同行して福島第1原発や同原発から半径20キロの警戒区域を視察していた。
農林水産省は5日、業務用冷凍バター2000トンを緊急輸入すると発表した。東日本大震災や福島第1原発事故などの影響で国産バターが供給不足となる恐れがあるため。11年度は1万1700トンを輸入する予定にしていたが、追加輸入によって十分な供給量を確保し、価格高騰を防ぐ。 緊急輸入は3年ぶり。今月中旬に入札を行い、11月までに引き渡しを受ける。欧米やオーストラリア産が中心となる見通しだ。 供給不足が懸念されているのは、震災による生産設備損壊や原発事故後の出荷自粛などにより、3月から4月にかけて東北や関東を中心に計約4万トンの原乳を廃棄処分した影響が大きい。昨年夏の猛暑に続き、今年6月ごろも気温が高く、牛が弱って生乳生産量が落ちたことも響いている。 国内のバター消費量は業務用と家庭用を合わせて年約8万トン。業務用バターは乳業メーカーや製菓会社が主な買い手で、クリスマスを迎える年末が最大の需要期となる
「平和の国」ノルウェーを襲った22日の連続テロ事件は、当初はイスラム過激派の犯行を疑う見方もあった。だが、逮捕されたのは逆に欧州で増加するイスラム系移民に反発する極右思想の青年だった。事件の動機と背景を探った。【ロンドン笠原敏彦、前田英司】 ◇容疑者は極右青年 ノルウェーからの報道によると、警察当局に逮捕されたのはアンネシュ・ブレイビク容疑者(32)。インターネットへの投稿や地元メディアの報道から浮かび上がる人物像は、移民に寛容な北欧型の「開かれた社会」に反発を増幅させていった姿だ。自らを「愛国主義者」などと評し、その言動には自己陶酔の世界さえ垣間見える。 「信念ある1人の人間は(自らの)利益しか考えない10万人分もの力に値する」。ブレイビク容疑者が簡易型ブログ「ツイッター」に18日残した犯行予告とも読めるつぶやきは、19世紀の英国人哲学者ジョン・スチュワート・ミルの名言をまねたものだった
日本人はなぜか、もともとあまり腹を立てない民族です。我慢することには長けているけれど、感情を爆発させるのはそれほど得意ではない。そういうところはあるいは、バルセロナ市民とは少し違っているかもしれません。でも今回は、さすがの日本国民も真剣に腹を立てることでしょう。 しかしそれと同時に我々は、そのような歪んだ構造の存在をこれまで許してきた、あるいは黙認してきた我々自身をも、糾弾しなくてはならないでしょう。今回の事態は、我々の倫理や規範に深くかかわる問題であるからです。 ご存じのように、我々日本人は歴史上唯一、核爆弾を投下された経験を持つ国民です。1945年8月、広島と長崎という二つの都市に、米軍の爆撃機によって原子爆弾が投下され、合わせて20万を超す人命が失われました。死者のほとんどが非武装の一般市民でした。しかしここでは、その是非を問うことはしません。 僕がここで言いたいのは、爆撃直後の20
カタルーニャ国際賞の授賞式で、スピーチする作家の村上春樹さん=スペインのバルセロナで2011年6月9日、ロイター 9日のスペインのカタルーニャ国際賞授賞式で配布された作家村上春樹さんの受賞スピーチの原稿全文は次の通り。(原文のまま) 「非現実的な夢想家として」 僕がこの前バルセロナを訪れたのは二年前の春のことです。サイン会を開いたとき、驚くほどたくさんの読者が集まってくれました。長い列ができて、一時間半かけてもサインしきれないくらいでした。どうしてそんなに時間がかかったかというと、たくさんの女性の読者たちが僕にキスを求めたからです。それで手間取ってしまった。 僕はこれまで世界のいろんな都市でサイン会を開きましたが、女性読者にキスを求められたのは、世界でこのバルセロナだけです。それひとつをとっても、バルセロナがどれほど素晴らしい都市であるかがわかります。この長い歴史と高い文化を持つ美しい街に
全国から寄せられた激励メッセージへの返事を書く箱石佑太君(左手前)=岩手県山田町の町立大沢小で2011年4月4日、篠口純子撮影 「お父さんが軽トラでもどっていった姿を見ました。津波にのみ込まれませんように。そう祈っていました」。巨大地震と大津波が東日本を襲ったあの日、子供たちは何を見、その後をどう生きたのか。岩手県山田町の町立大沢小学校を3月に卒業した箱石佑太君(12)が毎日小学生新聞に寄せた体験日記には震災と向き合う姿が率直につづられていた。 ◇3月11日 卒業式の歌の練習をしていました。とてもゆれの大きい地震が来ました。最初は単なる地震だと思っていました。大津波警報が出ても、どうせこないと思っていました。来たとしても10センチメートル程度の津波だと思っていました。全然違いました。ぼくが見たのは、国道45号線を水とがれきが流れているところです。お母さんとお父さんが津波が来る前に大沢小に来
◇市立図書館は廃虚に 世帯の約半数が津波に襲われ、1000人を超える命とともに、市役所を含めた市街地のほとんどを失った岩手県南部・陸前高田市。なお約1300人の行方が分からない同市を、大津波から1カ月あまりたった4月半ばに訪ねた。廃虚と化した市立図書館は、壁に大きな口を開け、がらんどうの内部をあらわにしていた。【望月麻紀】 ◇少ない「子ども向け」 市立図書館の近くには市立博物館や市民体育館も建っていた。1次・2次避難所の体育館には数百人が避難していたが、助かったのは3人だけだという。図書館も一般書はすべて流失。耐火金庫に保管してあった古文書がかろうじて残った。 図書館の近くには、図書館のラベルが貼られた児童書が数冊落ちていた。市街地に連なるがれきの山の中にも、絵本や仏教の専門書など、持ち主の安否が気遣われる本がまぎれていた。 市内小中学校の児童生徒の死者・行方不明者は計19人。市教委による
【エルサレム花岡洋二】ロイター通信によると、パレスチナ自治政府のアッバス議長が率い、自治区ヨルダン川西岸を統治する穏健派組織ファタハと、対立組織で自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスが27日、エジプト・カイロで統一政府の樹立に合意、和解した。両者の和解を仲介していたエジプト当局が発表した。今年9月に国連総会でパレスチナ国家樹立の承認を目指すアッバス議長が両者の和解を目指していた。 一方、イスラエルや自治政府を支援する欧米諸国はハマスを「テロ組織」と認定しており、強く反発するのは必至だ。 議長は3月中旬、ハマス側に▽無党派の官僚で統一政府を組閣▽統一政府は、議長選と評議会(国会)選を9月までに実施し、ガザも統治する--ことを提案していた。 06年に行われたパレスチナ評議会(国会)選挙でハマスが圧勝、ハマスを中心とする政権が2度組閣されたが、欧米とイスラエルの圧力で崩壊。ファ
危機と対応の混乱が続く福島第1原子力発電所。この国には、この「フクシマ」を含め54基の原子炉がある。そもそも被爆国であり地震国でもある日本に、なぜ、これほど多くの原発が造られたのか? 「原子力の戦後史」をひもといた。【浦松丈二】 ◇米国の「冷戦」戦略受け導入 政治主導で推進、議論尽くさず <ポダムとの関係は十分成熟したものになったので、具体的な協力申し出ができるのではないかと思う> 早稲田大学の有馬哲夫教授(メディア研究)が05年、米ワシントン郊外の国立第2公文書館から発掘したCIA(米中央情報局)機密文書の一節である。終戦直後から60年代までに蓄積された474ページにわたるその文書には、日本に原子力事業が導入される過程が詳細に描かれていた。 「ポダム」とは当時、読売新聞社社主で日本テレビ社長だった正力松太郎氏(1885~1969年)の暗号名。原子力委員会の初代委員長を務め、のちに「日本の
東京都の石原慎太郎知事は14日、東日本大震災に関連し「この津波をうまく利用してだね(日本人の)『我欲』を一回洗い落とす必要がある。積年たまった日本人の心のあかをね。これはやっぱり天罰だと思う」と発言した。蓮舫節電啓発担当相から節電への協力要請を東京都内で受けた後、記者団に語った。 その発言直後に石原氏は「被災者の方々、かわいそうですよ」と付け加えたが、「天罰」と表現したことが被災者や国民の神経を逆なでするのは確実だ。 石原氏は「天罰」発言の前段として「去年1番ショックだったのは、おじいさんが30年前に死んだのを隠して年金詐取する、こんな国民は世界中に日本人しかいない」と述べていた。【青木純】 NZ地震:日本人4人の死亡を確認 安否不明者11人に (20時03分) 東日本大震災:中国首相、日本の求めに応じ必要な支援提供 (19時55分) 東日本大震災:石原知事「津波は天罰」 (19時54
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