サンマに含まれる放射性セシウムを検査する福島県漁協の職員。1検査につき20匹のサンマをさばく必要があり、検査には約2時間かかる=福島県いわき市 東京電力福島第1原発事故を受け、平成24年4月に設定された食品に含まれる放射性セシウムの基準値。消費者の「安心」のため、それまでの暫定基準より厳しい数値とした。しかし、欧米の基準の10分の1以下と厳しく、海外なら問題なく食べられる食品も廃棄せざるを得ないのが現状だ。事故から3年が過ぎ、「科学的根拠に基づいて見直すべきだ」と専門家は指摘する。(平沢裕子)◇ ◆続く出荷自粛・制限 日本の基準値は、1キロ当たり、飲料水10ベクレル▽牛乳50ベクレル▽一般食品100ベクレル▽乳児用50ベクレル。これに対し、国際的な食品規格を決める「コーデックス」は一般食品・乳児用とも1千ベクレル、EU(欧州連合)は、飲料水と牛乳・乳製品1千ベクレル▽一般食品1250ベクレ