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1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『1940年体制―さらば戦時経済』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』『仮想通貨革命』『ブロックチェーン革命』など。近著に『中国が世界を攪乱する』『経験なき経済危機』『書くことについて』『リープフロッグ 逆転勝ちの経済学』『「超」英語独学法』などがある。野口悠紀雄ホームページ ------------最新経済データがすぐわかる!-------
新型コロナの世界的まん延が始まってから、2年が経過した。コロナに対して、先進国の対処は迅速かつ大規模だった。先進国の中央銀行は、金利をほぼゼロの下限に維持、さらに資産買い入れ、いわゆる量的緩和(QE)を拡大させた。財政支出も拡大されたが、これは国債の発行増で賄われ、政府債務が急増した。 新型コロナまん延を食い止めるためのPCR検査、ワクチン関連、医療現場への補助の予算が拡大した。さらに、新型コロナまん延防止のための社会経済活動制限により需要が減った、観光業、飲食業、航空業などへの補助、事業継続のための補助金、失業手当の期間延長、国民(ほぼ)全員への現金給付、などが行われた。 その結果、先進国全体の公的債務(主に国債)は急増した。公的債務・GDP比率は、日本が群を抜いて高く、2021年には240%を超えている。G7のなかで日本の次に公的債務が大きいのはイタリアで、180%超。英仏米加は120
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コロナ禍で膨らんだ財政赤字をどう穴埋めするのか。モルガン銀行(現・JPモルガン・チェース銀行)元日本代表の藤巻健史さんは「さらなる財政出動、日銀の国債買い取りを主張する政治家やMMT論者、統合政府論者は無責任極まりない。選挙イヤーの今こそ増税の議論をすべきだ」という――。 【図表】主な国の債務残高 ■財政出動と増税をセットで示した米政権 アメリカのバイデン大統領は、3月31日、8年間で2兆ドル(約220兆円)を投じる長期経済政策の計画を発表した。すでに成立した200兆円規模の経済対策から矢継ぎ早に大規模な財政出動を発表した。 米国の借金は対GDP比で131%。比率で言うと日本の半分に過ぎない。それなのに共和党はさらなる巨大財政支出に反対し、これ以上の財政悪化を食い止めようとしている。 一方のバイデン大統領も財政悪化にはそれなりに配慮し、その財源として、トランプ前大統領が引き下げた法人税率を
政府は新型コロナで冷え込む経済対策のため財政支出を急拡大させている。このまま財政拡張路線を取りつづけて大丈夫なのか。日本総研の河村小百合主席研究員は「実体経済が悪いにもかかわらず、株式相場が堅調なのは、行き場のない資金が流入しているからだ。MMT理論の影響で危機感が乏しいが、このままでは日本経済は大変なことになる」と指摘する――。(第1回/全3回) 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、河村小百合『中央銀行の危険な賭け 異次元緩和と日本の行方』(朝陽会)の一部に加筆・再編集したものです。 ■自国通貨建て政府債務はデフォルトすることはない? 2020年春先以降の新型コロナウィルス感染症の拡大によって、経済と社会の両面で大きな打撃を受けたわが国は、4月に第1次、6月に第2次補正予算を立て続けに組み、2020(令和2)年度一般会計の歳出規模を当初予算から60兆円近く積み増した(図表1)。 これほど
日本人は幾度も危機を経験してきた。ここ20~30年だけでも「バブル経済」の崩壊、原子力発電所のメルトダウン、大型台風、世界金融危機があり、そして今、グローバルなパンデミック(感染症の大流行)が引き起こした経済危機に直面している。 深刻な事態が起こるたびに、政策当局は財政政策(首相、財務相、国会議員による対応)と金融政策(中央銀行である日本銀行の対応)を組み合わせて対処してきた。今回もそうだが、日銀と政府が実質的に手を組み、強力なワンツーパンチを繰り出して経済を救おうとすることもある。 日銀が貨幣を創造して景気を刺激せよ 1つ目のパンチは財政刺激策だ。景気をテコ入れするために、政府が支出を増やすと約束するのである。今回のコロナ禍では大幅な支出増加が必要だ。現代の資本主義経済を動かすのは、基本的に売り上げだ。新型コロナウイルス感染症の流行によって売り上げはとくに打撃を受けている。海外からの観光
都内の私大で経済学を専攻している者です。 結論から述べると、MMTを学ぶためにはどの大学を選んでも構いません。 可能な範囲で偏差値の最も高い大学に進学してください。 理由を以下で詳述します。 第一に、MMTを授業で学ぶことはどこの大学でもおそらく不可能です。 MMTは現段階では真偽不明です。学説の一つでしかありません。 ゆえに、例えば財政学の授業でトピックの一つとして扱われることはあっても、 授業として開講されることはないかと思います。 したがって、自ら研究するしかありません。 そのために必要なのは、骨太な学力です。そうした学力を養成できる大学に進学してください。 第二に、教授がMMTを批判していたからといって、研究できないということはありえないからです。 大学では学問の自由が担保されています。 例えば、9条改正賛成派の教授と反対派の教授が同じ大学に在籍していることは当たり前です。 また、
<MMT理論が肯定的に評価される日本だが、インフレの起きない日本経済との相性はむしろ最悪だ> 世界的に、いまだにMMT理論が話題になっているのは日本だけだ。そしてそれ以上に日本が特殊なのは、MMT理論に対して一定の肯定的な評価があることである。 日本がMMTにもっとも相応しくない経済である(社会、政治的状況ではなく、「経済」が、である)にも関わらず、このような現象が起きているのは極めて危険だ。 サマーズもスティグリッツも日本に関心がないからこの問題に気づいていないし、ケルトンは理解力不足でMMT理論の本質を理解していないから、問題を正反対に捉えている。 つまり、日本人たちをせせら笑うように、インフレが20年間も起こせなかった日本で、インフレの心配ばかりの質問を受けるとは、と皮肉った。 ケルトンは何もわかっていない。インフレが起きない国でこそ、MMT理論はもっとも危険なのだ。 財政赤字を気に
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