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ブックマーク / davitrice.hatenadiary.jp (6)

  • 読書メモ:『不道徳的倫理学講義-人生にとって運とは何か』 - 道徳的動物日記

    不道徳的倫理学講義: 人生にとって運とは何か (ちくま新書) 作者: 古田徹也 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2019/05/07 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る 西洋の倫理思想史の中でも「運」について言及している哲学者たちの思想を取り上げて、論じている全体のページ数のうちおよそ半分以上を古代ギリシャの思想の話題が占めており(『オイディプス』などの文学作品、プラトン、アリストテレス、ストア派)、近代の思想家に割かれている紙面は比較的少ない。これには、西洋の倫理思想では近代になるに近づくにつれて「運」の問題が取り上げられることが少なくなった(しかし、現代になって再び脚光を浴びている)という事情が表れている。 基的には思想史のなのだが、第10章とエピローグではバーナード・ウィリアズを中心に『グレート・ギャツビー』などの文学作品も取り上げながら、現代に生きる私

    読書メモ:『不道徳的倫理学講義-人生にとって運とは何か』 - 道徳的動物日記
  • 社会的制裁のなにがよくないのか - 道徳的動物日記

    anond.hatelabo.jp 普段ははてな匿名ダイアリーの投稿にはあまり反応しないのだけれど、最近の事例についてはいろいろと思うところがあるので、昨日にTwitterに下記のような投稿をした。 社会的制裁を生み出すような道徳感情は集団や社会の秩序を維持したりするうえでは不可欠なはずであり、社会的制裁が望ましい結果を生み出すこともあるけれど、法律的な制裁と違ってコントロール不可能でありいつ望ましくない結果が出るのかもわからないので、原則的に「社会的制裁はよくない」とすべき https://t.co/xyqyMgRvhh— デビット・ライス (@RiceDavit) 2021年7月18日 "「正しい怒り」と「正しくない怒り」が存在するという考え方は、ただちに「自分の怒りは正しいが、あいつの怒りは正しくない」という発想に結び付くことは火を見るよりも明らかだ。" ネットリンチとかpublic

    社会的制裁のなにがよくないのか - 道徳的動物日記
  • 誰もが平等に幸福になれるわけではない - 道徳的動物日記

    (某所に掲載する原稿として書きはじめたのだが、書いているうちに論旨が迷子になって自分でも無理を感じる内容になってしまったので、「これじゃダメだな」と判断して取り止めた。でもせっかく書いたのが無駄になるのもイヤなので、無理やりにまとめて、こちらに放流する)。 インターネットが発達した現代では、Twitterやブログなどを通じて、だれもが自分の思いや考えを発信している。自分の生活や人間関係についてつぶやくだけでなく、仕事やキャリアについて熱く論じられたり、社会や政治に関する問題について意見が表明されたりしている。 民主主義の視点からすれば、「多くの人が、自分の価値観や主張をを他人に対して表明している」という状況は、基的には望ましいことである。多様な意見が提示されたうえで、それらの意見の間の妥協点を見つけて利害の調整をはかろうとしたり、意見を競合させて「もっとも正しい意見はいずれであるか」とい

    誰もが平等に幸福になれるわけではない - 道徳的動物日記
    yuki_2021
    yuki_2021 2021/01/13
    インターネット時代の幸福論に関しての重要な考え方
  • 浅き低きの幸福論 - 道徳的動物日記

    しあわせ仮説 作者: ジョナサン・ハイト,藤澤隆史,藤澤玲子 出版社/メーカー: 新曜社 発売日: 2011/07/06 メディア: 単行 購入: 12人 クリック: 226回 この商品を含むブログ (15件) を見る 雑感。 ジョナサン・ハイトの『しあわせ仮説』を読んでからポジティブ心理学や幸福論に興味を持つようになり、そのテのを定期的に読むようになった。最近に読んだポジティブ心理学のは『幸せがずっと続く12の行動習慣』や『ポジティブ心理学が1冊でわかる』、幸福論のとしては『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』や『徳は知なり』など。 また、最初は幸福論を読むつもりで手に取ったものでなくても、読んでみると幸福についての洗練された心理学的・哲学的知見が開陳されている、というパターンもある。たとえば、『野蛮な進化心理学―殺人とセックスが解き明かす人間行動の謎』では、扇情的で俗っぽい副題と

    浅き低きの幸福論 - 道徳的動物日記
  • トランプ支持者の心理・権威主義と反移民 - 道徳的動物日記

    www.the-american-interest.com 日紹介するのは、 社会心理学者のジョナサン・ハイト(Jonathan Haidt)が American Interest 誌に発表した「ナショナリズムはいつ、なぜ、グローバリズムに打ち勝つか(When and Why Nationalsm Beats Globalism)」という記事。近年の西洋民主主義国家において、普遍主義的・自由主義的で多様性を尊重する価値観を持ったグローバリストとそれに反対する価値観を持ったナショナリストとの争いが各国における移民問題をきっかけに表出するようになっていて…という記事なのだが、かなり長い記事なので、今回は後半(4章構成のうちの3章と4章)を紹介する。この記事における「グローバリスト」と「ナショナリスト」という言葉の定義の説明などは1章と2章でされるので、その辺りは少し分かり難くなるかもしれない

    トランプ支持者の心理・権威主義と反移民 - 道徳的動物日記
  • ポリティカル・コレクトネスの問題点を指摘した記事の雑なまとめ - 道徳的動物日記

    jbpress.ismedia.jp 当ブログでは、ポリティカル・コレクトネスについて批判的であったりポリティカル・コレクトネスの問題点を指摘した英語記事をいくつか訳してきた。上記記事と上記記事に付いたコメントを見て思ったのが、ポリティカル・コレクトネスに対しては具体的にはどのような批判がなされているかということはまだあまり知られていないようなので、私が今まで訳してきた記事を紹介していこう。ついでに、まだ訳されていないが有意義な英語記事へのリンクも貼っておく。 davitrice.hatenadiary.jp ↑ 憲法学者のグレッグ・ルキアノフと社会心理学者のジョナサン・ハイトによる「アメリカン・マインドの甘やかし:トリガー警告はいかにキャンパスの精神的健康を傷付けいるか」は昨年の9月に書かれた記事で、英語圏ではこの記事をきっかけにポリティカル・コレクトネス批判に勢いが付いた感もある。 「

    ポリティカル・コレクトネスの問題点を指摘した記事の雑なまとめ - 道徳的動物日記
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