「AED」という名前は聞いたことがあるだろうが、実際に使い方を知っている人はどの程度いるだろうか? 直前まで元気に過ごしていたのに、突然心肺機能が停止して倒れてしまう、そうした「心臓突然死」の症例が実は年間で数多く発生している。消防庁によると平成25年度に心原性(心臓に原因があるもの)の心肺機能停止症例数は7万5,397件とされている。このうち、心肺機能停止の時点を一般市民により目撃された件数は2万5,469件と報告されている。さらに、目撃した一般市民によりAEDが使用された件数は907件となっており、約3.5%の割合である。 救急車を呼んでから到着するまでの時間は全国平均8.5分とされており、その間に応急手当が行われなかった場合、1カ月後の傷病者の生存率は8.9%となっている。その間、胸骨圧迫の応急手当を行った場合は、1カ月後生存率は14.8%と約1.7倍高くなっている。さらに、AEDを