かつてはデパートにつきものだった「屋上遊園地」を、最近めっきり見なくなった。いまや都心では松坂屋上野店、京王百貨店新宿店など数か所を残すのみだ。 「昭和」の名残とも言える貴重な遊戯施設は、このまま消えていくのか。 「元祖」の松屋浅草も閉鎖 現在のような形の「屋上遊園地」の第一号は、松屋浅草の屋上に1931年作られた「スポーツランド」とされる。戦後に入ると全国の百貨店に広がった。50年代から60年代にかけては、デパートの屋上には必ず自動木馬やさまざまな遊戯装置が並ぶ遊園地があって人気だった。 ところが、70年代に入ってデパート火災が相次ぎ、消防法の改正で屋上利用の規制が厳しくなった。さらにはゲームセンターや本格的なテーマパークなど他のアミューズメント施設の台頭などに押され、徐々に姿を消していった。 2010年5月、「元祖」の松屋浅草では業績不振などを理由に4階以上のフロアの営業を打ち切り、そ