「未承認国家」――聞き慣れないこの言葉こそ、世界中で勃発している地域紛争を読み解くキーワードなのかもしれない。そこで『未承認国家と覇権なき世界』(NHKブックス)を刊行された廣瀬陽子・慶應義塾大学総合政策学部准教授に、未承認国家の現在や未来、そして暗躍するロシアの動きなどについて話を聞いた。 ――本のテーマが「未承認国家」、そして廣瀬先生のご専門が旧ソ連(特にコーカサス)地域ですが、普段、日本で暮らしているとなかなか馴染みが薄い印象があります。たとえば、ビジネスで未承認国家と関わるということはありますか? 廣瀬:あると思います。未承認国家とは、一言で言えば、主権国家としての宣言をしつつも、国際的な国家承認を得ていない国です。しかし、未承認国家はそれのみで存在しているわけでなく、大抵の場合、パトロン国家や近隣諸国が関わっています。 たとえば、ナゴルノ・カラバフ共和国というアゼルバイジャン共和
![なぜ「未承認国家」は生まれるのか 不安定化する世界を読み解く](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/29624a760af5d6e3b0e7891d604f265e3660cad2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwedge.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2Fa%2F1024%2Fimg_facef182146c2e6eef2aa44fb061c7b0236336.jpg)