アメリカ・スリーマイル島原発(TMI)の現地取材報告の5回目をお届けする。事故前の1974年から原発の監視活動を続けるハリスバーグの市民団体「スリーマイルアイランド・アラート(TMIA)」(スリーマイル島からの警告)代表のエリック・エプスタインさん(53)に話を聞いた。地元出身。大学で政治学を学び、大学教員として18年間歴史を教えていた。専門はマイノリティや障害者の歴史研究だ。名門ペンシルベニア州立大学で7年教え、退職してTMIAに専念している。 興味深かったのは同じ原発をめぐる「市民運動」でも、形態がまったく日本と違うことだった。日本では国や福島県が運営している放射線モニタリングも「中立ではない」と自分たちでネットワークを始めた。その資金になっているのが、原発事故の訴訟で電力会社から得た和解金だという民事訴訟のあり方も興味深かった。 原発から20キロしか離れていなかった避難所 ──197
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