父の仕事を手伝うために、日本に帰ってそれからずっと。 コンサルタントという仕事をしていた。 どんな時代にも、飲食店を経営することで シアワセになりたい! という人が相談にやってくる。 景気のいいときには、今が開業のチャンスだからと。 景気の悪いときには、飲食店は不況に強い業種だからと、 お店を持ちたいという人がいなくなることはない。 コンサルタントという立場で考えれば、 これほどありがたいことはなかった。 若い頃はこれ幸いと店を作ることを楽しんでいた。 けれどコンサルタントとしての経験を積み、 同時に苦い失敗をたくさん経験してくると、 飲食店をしたいとやって来る人たちに、 ちょっと厳しい現実を口にしなくちゃ気が済まなくなる。 飲食店はたのしいばかりの仕事じゃない。 どんなに一生懸命ガンバろうとしても、 お客様が来てくれないとその情熱は空回り。 ひたすら待ち続ける忍耐力がなくちゃいけない。