「さんなみ」の夕食。これは一部。このあと、酢の物やウマズラハギの肝付き刺身、サツマイモのタルトなど次々に料理が出てきました 能登半島には全国にその名を知られる有名宿がいくつかあります。そのうちの1軒が能登町にある「郷土料理の宿 さんなみ」。 客室数3室。都会人が殺到する人気宿です。なかなか予約がとりにくいとは聞いていましたが、取材時にも「ひと月先まで満室」とのこと。小さな宿だけに、予約をとるのもひと苦労です。 「さんなみ」は25年も前から「郷土料理」をテーマにしてきた宿です。ご主人の船下智宏さんは地元生まれの地元育ち。民宿をはじめた当初は、「どこにでもある普通の料理を出して」いました。が、元来、旅人の心をお持ちだったのでしょう、旅をする楽しさや醍醐味を感じてもらいたいと、奥能登ならではの味を作りあげていきました。「幸い能登には独自の食文化が残っていましたので」と船下さんは言います。