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ブックマーク / book.asahi.com (16)

  • 宮本ゆきさん 「なぜ原爆が悪ではないのか」インタビュー 被ばくを「語れない」現実|好書好日

    広島市出身の被爆二世。米国シカゴの大学で倫理学の講義を受け持ち、原爆や核について17年間教えてきた。その経験をもとにした労作が伝える米国の今。「ナガサキする」という造語をテレビドラマが破壊の意味で使ったり、ラスベガスの国立核実験博物館が「爆風」体験を提供したりと、原爆に対する感覚が日とずれている現実を突きつける。 米国の世論調査で「原爆投下は正当」と答える人は、2015年で56%いる。原爆が多くの命を救った、核兵器は国防の要との意識も根強い。その意識が再生産されてきた背景を教育文化、軍隊、宗教などの視点から解き明かす。 「『原爆は絶対悪』と広島は半世紀も発信しているのに、米国に届かないのはなぜだろう? 相手の物語を知らないとだめなんじゃないか」と思い、27歳でシカゴ大学大学院に留学した。しかし同大は原爆開発に携わり、今も核抑止論を支持する空気は強い。それでもシカゴで教職を得て、学生と対

    宮本ゆきさん 「なぜ原爆が悪ではないのか」インタビュー 被ばくを「語れない」現実|好書好日
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    zakinco 2023/08/09
  • 「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日

    宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」ポスター=スタジオジブリのTwitterより 「私自身、訳が分からない」 「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」。 2023年2月下旬、東京都内のスタジオで上映された、「君たちはどう生きるか」の初号試写。米津玄師の歌うピアノバラードが流れ、エンドロールが終わった瞬間、灯りが点き、宮崎駿監督のコメントが読み上げられた。 客席から軽い笑い声が漏れた。私もその一人だった。あまりの展開の速さと、盛り込むだけ盛り込まれた情報を消化しきれず、茫然と座り込んでいたが、その言葉で我に返った。 これは「宮崎アニメ」の集大成なのか、吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』の再解釈なのか。とにかく、1回見ただけではとても全容を把握できなかった。 「自分のことをやるしかない」 今回の作品は、公開前のプロモーションも、メディア関

    「君たちはどう生きるか」宮崎駿監督が、新作映画について語っていたこと。そして吉野源三郎のこと|好書好日
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    zakinco 2023/07/15
  • 文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日

    第128回文學界新人賞 受賞作品「ハンチバック」 親が遺したグループホームで裕福に暮らす重度障害者の井沢釈華。Webライター・Buddhaとして風俗体験記を書いては、その収益を恵まれない家庭へ寄付し、Twitterの裏垢では「普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢」と吐きだす。ある日、ヘルパーの田中に裏垢を特定された釈華は、1億5500万円で彼との性交によって妊娠する契約を結ぶ――。 療養生活という名の引きこもり 取材は市川さんが両親と暮らす自宅で行われた。お母さんに案内された部屋で、市川さんと目が合った瞬間、その射貫くような眼差しに気圧された。市川さんは筋疾患先天性ミオパチーという難病により、人工呼吸器を使用しているため、発話に大変な体力を使い、リスクもある。そのため取材も、あらかじめメールで回答をもらい、補足のみ、最小限お話いただく形をとった。 目力の強さはそれが市川さ

    文學界新人賞・市川沙央さん 「なにか職業が欲しかった」ままならぬ体と応募生活20年の果てに 「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」#1|好書好日
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    zakinco 2023/05/29
  • ナチズム研究の世界的権威が「断末魔の10カ月間」に迫る イアン・カーショー『ナチ・ドイツの終焉 1944-45』|じんぶん堂

    記事:白水社 ナチズム研究の世界的権威が、第三帝国末期の「断末魔の10カ月間」に迫る! イアン・カーショー著『ナチ・ドイツの終焉 1944-45』(宮下嶺夫訳・小原淳解説、白水社刊)は、学術性と物語性が融合した傑作巨編。 【地図9点、カラー口絵16頁収録】 書籍情報はこちら 【著者インタビュー動画:DAS ENDE von Ian Kershaw】 初めに 1945年初頭、惨憺たる敗戦が迫りつつあったころ、ドイツではしばしば、「終焉なき恐怖よりは、恐怖ある終焉」の方がましだという言葉が聞かれた。結局彼らが経験したのは、「恐怖ある終焉」だった。それは、歴史上前例のない方法と規模とで彼らを襲い、巨大な破壊と膨大な人命の喪失をもたらした。この災厄のほとんどは、ドイツが連合国の要求する降伏条件に屈していたならば避け得たはずのものだった。それゆえ、1945年5月以前、ドイツが降伏を拒否し続けていたこ

    ナチズム研究の世界的権威が「断末魔の10カ月間」に迫る イアン・カーショー『ナチ・ドイツの終焉 1944-45』|じんぶん堂
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    zakinco 2021/12/08
    読みたい。
  • 財政危機のギリシャで、反緊縮の経済学者が財務大臣に バルファキスが記した“現代のギリシャ戦記”|じんぶん堂

    記事:明石書店 『黒い匣 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命――元財相バルファキスが語る「ギリシャの春」鎮圧の深層』(明石書店) 書籍情報はこちら ヤニス・バルファキス 写真の人物をご存じですか? ギリシャの経済学者ヤニス・バルファキスです。彼がたった9日間で書き上げたという『父が娘に語る経済の話』(邦訳はダイヤモンド社)は、世界的なベストセラーとなりました。こののプロローグに、次のような記述があります(原書より筆者訳)。 このが出る直前にAdults in the Roomというを出版したが、それは 2015年のトラウマ的な出来事をありのままに記録したもので、書くのが当につらいものだった。だが、「娘に」の英語版に関わる仕事が癒やしになった このトラウマ的な出来事とはどんなものでしょうか? それはAdults in the Roomの日語版、筆者たちのチームが昨年春に世に出した

    財政危機のギリシャで、反緊縮の経済学者が財務大臣に バルファキスが記した“現代のギリシャ戦記”|じんぶん堂
    zakinco
    zakinco 2020/07/29
  • GHQが「洗脳」?実態は 賀茂道子さん、保守論壇「自虐史観植え付けた」説を史料で探る|好書好日

    「ウォー・ギルト・(インフォメーション・)プログラム」という言葉が保守論壇で流行している。第2次世界大戦後の占領軍の計画で、日人は洗脳され、自虐史観に塗り替えられたというのだ。その全体像を膨大な史料から探った著作が公刊された。当に日人は洗脳されたのか。研究の結果から著者は「洗脳されたとは思えない」という。 「体系的な施策ではなかった」 著作は『ウォー・ギルト・プログラム――GHQ情報教育政策の実像』(法政大学出版局)。著者は賀茂道子・名城大学非常勤講師(日政治外交史)だ。 この言葉は、文芸評論家の故・江藤淳氏が1989年の『閉(とざ)された言語空間』(現在は文春文庫)で紹介した。GHQ(連合国軍総司令部)の文書から見つけた江藤氏は、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」と表記した。現在の保守論壇はWGIPと略す。 ◇ 代表的な施策が二つあったとされる。GHQの一部門CI

    GHQが「洗脳」?実態は 賀茂道子さん、保守論壇「自虐史観植え付けた」説を史料で探る|好書好日
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    zakinco 2020/06/08
    メモ
  • 北村紗衣さん「お砂糖とスパイスと爆発的な何か」インタビュー 目からうろこのフェミニスト批評集|好書好日

    文:篠原諄也 写真:斉藤順子 北村紗衣(きたむら・さえ)武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授 1983年、北海道士別市生まれ。専門はシェイクスピア、フェミニスト批評、舞台芸術史。東京大学の表象文化論にて学士号・修士号を取得後、2013年にキングズ・カレッジ・ロンドンにて博士号取得。著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち──近世の観劇と読書』 (白水社、2018)、訳書にキャトリン・モラン『女になる方法──ロックンロールな13歳のフェミニスト成長記』(青土社、2018)など。 傑作とされる古典がつまらなかった ――フェミニスト批評とは何でしょう? フェミニスト批評はこれまでの批評が実は男子文化だったことに立脚しています。つまり、批評の歴史を振り返ると、男性中心的な社会の中で、男性向けに作られたものを男性の視点で読む。それが普遍的な解釈だとされてきました。 日の近代文学もそうで、たとえ

    北村紗衣さん「お砂糖とスパイスと爆発的な何か」インタビュー 目からうろこのフェミニスト批評集|好書好日
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    zakinco 2019/09/14
  • 朝日新聞「平成の30冊」を発表 1位「1Q84」 2位「わたしを離さないで」 3位「告白」|好書好日

    1位 『1Q84』(村上春樹、新潮社、2009年) 『1Q84』はBOOK1・2が平成21年、翌年BOOK3が刊行された。夜空に二つの月が浮かぶ「1Q84年」の世界で、10歳で離ればなれになった青豆と天吾が再会するまでの物語。カルト教団も描かれたことで、高い注目を集めた。毎日出版文化賞。21年の年間ベストセラー第1位(日販調べ)で、単行・文庫の累計部数は約860万部。 京都大教授の中西寛さんは「平成時代において最も注目を集めた文芸作品。野茂英雄が野球の世界で行ったように、日語文学の世界性を意識させた」と解説する。コラムニストの堀井憲一郎さんは「平成時代は『村上春樹の時代』でもあった。この書籍に対する期待度と売れ具合は尋常ではなかった。日常生活でふつうの人が小説を話題にできた最後の作品だったかもしれない」と評価した。文筆家の青木奈緒さんも「平成の日の世相を描いた、平成を代表する小説」と

    朝日新聞「平成の30冊」を発表 1位「1Q84」 2位「わたしを離さないで」 3位「告白」|好書好日
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    zakinco 2019/03/07
    若杉烈の原発関連本が入ってないなあ。あれは強烈だったんだけど。
  • 『「人間国家」への改革』書評 人への投資が生む、新たな経済|好書好日

    「人間国家」への改革 参加保障型の福祉社会をつくる (NHKブックス) 著者:神野 直彦 出版社:NHK出版 ジャンル:社会・時事・政治・行政 「人間国家」への改革―参加保障型の福祉社会をつくる [著]神野直彦 「失われた20年」の間、いくら経済政策を打っても経済成長率は高まらなかった。とはいえ、私たちの経済社会も過去20年間、大きな構造変化を遂げた。その認識なしに経済政策を打っても、効果が出ないのは当然ではないか。 書はいま私たちが「歴史の『峠』」に立っていると説く。つまり、(1)産業構造の変化(脱工業化、知識集約型産業への転換)と、(2)消費者の欲求の高度化・多様化、という、二つの大きな地殻変動が生じているというのだ。こうした変化に対して、生産現場に求められるのは、工業社会時代の均一性、正確性、規律から、多様性、柔軟性、創造性へと大きく変わりつつある。 そこで重要なのが、人間の「人間

    『「人間国家」への改革』書評 人への投資が生む、新たな経済|好書好日
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    zakinco 2015/09/23
    神野先生新著出したんだ
  • asahi.com: 平和は「退屈」ですか [著]下嶋哲朗 - 書評 - BOOK

    戦争体験は伝わるか、対話と模索の記録 元ひめゆり学徒隊員の講演を聞いて「言葉がこころに届かない!」とある女子高生は言った。別の男子高生は言った。「戦争? したっていいじゃん」。彼はわざと挑発的な言い方をしたのである。「戦争はいけない、平和は大切だ。こんなこと誰だってわかってる。わかりきったことを言い合って、わかりきった結論に達する。これってWHY? を許さない学校の平和学習と同じじゃん」。俺(おれ)はその先へ進みたいんだ、と。 そうだよね。高校生じゃなくたって、私でもそう思う。 しかし、挑発された語り手たちの衝撃と失望は大きかった。若い人のこころに言葉が届かない。どうして? 両者の間の溝は深い。はっきりいって私は半ば投げていました。昨年、私立高校の英語の入試に、元ひめゆり学徒の証言を聞いた生徒が「退屈だった」と感じたという趣旨の問題が出て騒然となったけれども、「ありがたいお話を心して聞け

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    zakinco 2014/06/08
  • 本の記事 : 「日本の黒い霧」清張の説を事実上修正 スパイ説に注釈 - 中村真理子 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    清張(1909~92)の代表的なノンフィクション「日の黒い霧」の記述を巡り、登場人物の遺族から抗議を受け、出版元の文芸春秋は、清張の説を事実上修正する文を注釈として文庫の末尾に付けることを決めた。出版社としては異例の対応だ。 問題になったのは「革命を売る男・伊藤律」の章。元共産党幹部の伊藤律(1913~89)が「当局に情報を提供したことは事実であると見ていい」などとして、伊藤を特高警察や連合国軍総司令部(GHQ)のスパイとして描いた。伊藤の遺族は「根拠がない」として出版取りやめを求めたが、「問題点を指摘する注釈が付くなら、誤りが認められたことになる」と文春の提案を受け入れた。早ければ来月にも3ページ分の注釈付きの文庫が出るという。 発表された60年当時は資料が限られ、伊藤は中国で幽閉中で証言を得られなかった。伊藤の帰国は80年。その後人の証言をまとめた「伊藤律回想録」(文芸春秋)な

    本の記事 : 「日本の黒い霧」清張の説を事実上修正 スパイ説に注釈 - 中村真理子 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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    zakinco 2014/01/11
    うーむ
  • インタビュー : 期待が根拠、それがお金 経済学者の岩井・東大名誉教授 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    アベノミクスの下、「次元の違う金融緩和」で、世の中にお金があふれ始めた。株式市場はわき、景気が上向く兆しがでている。「期待」に左右される市場経済は、随分気まぐれにみえる。経済学者の岩井克人・東大名誉教授に、「お金と期待の関係」を聞いた。 ――人の期待はそんなにあてになりますか? 「実は、お金と期待の関係は、資主義の質にかかわる問題です。3年ほど前にベルリンであった『貨幣とは何か』を討議する学際的な会議に招かれたが、ギリシャ古典の権威の学者の発表が興味深かった。テーマは『なぜ古代文明の中で、ギリシャだけが私たちに近いのか』。ギリシャ悲喜劇は現代人にも感動を与え、民主主義の原型も、哲学も、現代につながる科学もギリシャでつくり出された。彼の答えは、公共的な討議の伝統でもアルファベットの使用でもなく、『世界史で初めて格的に貨幣を使った社会だった』というものでした。私のような経済学者が言うと我

    インタビュー : 期待が根拠、それがお金 経済学者の岩井・東大名誉教授 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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    zakinco 2013/05/10
    『資本主義の不安定性は、金融市場の問題というより、お金の本質から導き出される』
  • 「踊ってはいけない国、日本」書評 人類的行為を抑圧する不均衡|好書好日

    踊ってはいけない国、日 風営法問題と過剰規制される社会 著者:磯部 涼 出版社:河出書房新社 ジャンル:社会・時事・政治・行政 「無許可で客を踊らせ」た罪で摘発されるクラブ、違法ダウンロード刑罰化、生活保護受給バッシング、レバ刺し禁止、消えゆく歓楽街…。誰が誰の首を絞めているのか? 過剰規制されゆ… 踊ってはいけない国、日 風営法問題と過剰規制される社会 [編著]磯部涼 一般に風営法と呼ばれる法律によって、特にここ数年、大阪を中心としてクラブが摘発され続けている。主に若者を顧客として持ち、DJによる大音響での音楽再生によって踊りを楽しむ方のクラブだ。 これまでも“午前零時、条例によっては午前一時を過ぎて客を踊らせていた”罪での摘発はあったが、運用は比較的穏やかだった。それが今、どういうわけか一気に厳格化されつつある。 なぜ踊ってはいけないか。法の運用に恣意(しい)性はないか。表現の自由

    「踊ってはいけない国、日本」書評 人類的行為を抑圧する不均衡|好書好日
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    zakinco 2012/10/31
  • 「非業の生者たち 集団自決 サイパンから満洲へ」書評 「強いられた自発性」が死へ|好書好日

    非業の生者たち 集団自決 サイパンから満洲へ [著]下嶋哲朗 「非業の」と言えば「死」と続くのがふつうだろう。しかし、このの題は「非業の生者たち」。戦争中、「集団自決」で死の寸前まで追い込まれながら、かろうじて生き延びた人々に取材して書かれたノンフィクションだ。 著者は、黙して語ろうとしない「生者たち」のもとに通い、その現場で何が起きたかを聞き出し、記録してきた。その30年近くにわたる営為を書に結実させた。 沖縄・読谷(よみたん)村のチビチリガマ、サイパン島のバンザイ岬、グアム、テニアン、フィリピン、中国東北部(旧満州)の葛根廟(かっこんびょう)。 それらの地で、多くの民間人が、それぞれの家族単位で自決した。敵兵は、女を大勢で陵辱し、男と子どもは股裂きにする。そう聞いていた人々は、「虜囚の辱め」をうけるよりは、と死を選んだ。人々が恐れた「敵の残虐行為」は、日兵が現に中国などでしてきた

    「非業の生者たち 集団自決 サイパンから満洲へ」書評 「強いられた自発性」が死へ|好書好日
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    zakinco 2012/10/11
    『人々が恐れた「敵の残虐行為」は、日本兵が現に中国などでしてきたことの投影であり「写し絵」だった』
  • http://book.asahi.com/ebook/master/2012072400049.html

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    zakinco 2012/08/01
    番組はとても面白かった
  • 安田浩一「ネットと愛国」書評 過激さの背後にある承認欲求|好書好日

    ネットと愛国―在特会の「闇」を追いかけて [著]安田浩一 在日コリアンに差別的なスローガンを浴びせかけ、過激な行動を繰り返す在特会(在日特権を許さない市民の会)。彼らがデモで叫ぶ罵声は、侮蔑の言葉で満ちている。安田はメンバーへの取材を繰り返し、その実像に迫る。 在特会の生みの親は、桜井誠。現在も会長として運動の先頭に立つ。しかし、その来歴や素顔は判然としない。安田は、彼の地元を取材し、その「地味」で「目立たない」青少年期を明らかにする。 無口で物静かな少年は、いかにして冗舌で攻撃的な「ネット右翼のカリスマ」になったのか。桜井は、ネット掲示板韓国北朝鮮を批判し、注目を集める。次第に一部で過激なスタイルが受けはじめると、激烈な口調が加速した。 学歴社会から弾(はじ)かれ、警備員や役所の非正規職員として働いてきた彼は、役所や教育機関に対して攻撃的だ。そして、在日コリアンの「特権」を誇張し、既

    安田浩一「ネットと愛国」書評 過激さの背後にある承認欲求|好書好日
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    zakinco 2012/05/16
    『安田は在特会を他者化しない。彼らは私たちの社会の反映であり、その下には「広大な地下茎」が存在する。そして、それは現在の「橋下人気」にも繋(つな)がっているという』同意
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