あまりにも無惨な最期だった。 死体は窓ガラスに激突してこと切れていた。頭部は著しく損壊して、もはや性別の判断もつかない。胴体はありえない方角に捻じ曲がり、千切れた四肢がその衝撃の激しさを物語っていた。 現場を目のまえで目撃してた母娘は、呆然と中空に停止していた。 モス「チュウがやられた」 ヤブ「なに!?昼間の飛行は禁止だと言ったはずだぞ!」 モス「よっぽど腹が減っていたんだろう。目を離したスキに、フラフラ出ちまった」 ヤブ「やられたのか…」 モス「ああ」 ヤブ「血は!? 血は流れていたのか…?」 モス「いや」 ヤブ「一滴もか?」 モス「一滴もだ」 ヤブ「じゃあ、チュウは、たったのひと刺しも出来ずに死んじまったのか…」 モス「そういう事だ」 ヤブ「なんで血なんだよ…他の奴らは、木の実とか葉っぱで生きられるのに…」 モス「そうだな」 ヤブ「命張ってメシ食いに行って、しくじったら壁にBANかよっ
![小さな復讐 - ちるろぐ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/0f15356b6e54b2b2f62a96ce7e350d372c408ed2/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcdn-ak.f.st-hatena.com%2Fimages%2Ffotolife%2Fc%2Fcild%2F20160831%2F20160831092902.png)