[東京 23日 ロイター] 韓国サムスングループが日本人技術者の引き抜き攻勢を強めている。巨額の赤字に苦しむ国内電機各社による事業縮小と人員削減。開発環境や処遇が悪化すれば優秀な技術者が自ら会社を離れても不思議はない。 日本が先行する技術が人材とともに流出すれば、大きな競争力格差が生じかねず、逆境の今こそ持ち前の技術をビジネスに活かす人材戦略が必要だ。 <年収10倍の提示も> 「ここ半年、人事担当役員が直接、コンタクトしてくる」――。某大手ヘッドハンターがサムスン電子005930.KSなどサムスングループによる日本人技術者引き抜きの様子を打ち明ける。これまでは日本に常駐するヘッドハンティング専門部隊が打診してきたが、最近は給与を即決できる役員からの「一本釣り」も多いと語る。 ハイテク業界で10年以上のキャリアを持つこのヘッドハンターによると、普段は東京、横浜、大阪に常駐している各10人前後