今回は、大半の人にとっては「恐怖」じゃないかもしれないけど、作家にとっては恐怖の現象を紹介したい。それは「クリプトムネジア」。 まず、これを読んでいただきたい。ネットで検索していて、偶然ヒットした、2013年のニュースである。 栗本薫の短編小説「走馬灯」がイタリアにて映画化 http://sfwj50.jp/news/2013/07/somato-kurimotokaoru-movie-italia.html この記事、不自然だとは思われないだろうか? 日本のSF作家の作品が映像化されたというのに、なぜか、かんじんの「走馬灯」の内容についてまったく言及がないのだ。 まあ、イタリア人が知らなかったのはしかたない。しかし、ストーリーを書いてしまうと、日本のSFファンならみんなピンとくるだろう。 「これってまるっきり、星新一の『午後の恐竜』じゃん」と。 ちなみに「走馬灯」は『S-Fマガジン』19