自分は、親の言うことをよく聞く「いい子」だったし、親の言うことこそが真実と思って育った。 母が「○○(筆者の名前)は算数が好きだからね」と言えば、成績は悪くなかったこともあり、そうなのかと納得した。 母が「○○はコツコツ努力できる子」と評すれば、やはり納得し、他人の目にそう映るように行動した。 母が、「○○はお父さんを尊敬してるもんね」と言えば、「尊敬する人」の欄には「父」と記入した。 母ばかりなのは、父とはそんなに喋った記憶がないからだ。いつどこで不機嫌スイッチが入るのかわからず、怒らせたくなかった。 しかし、高校進学を機に親元を離れて、うっすら覚えていた違和感の正体に気づき始める。 自分は算数/数学が嫌いだ。というか数字全般苦手だ。 自分は全然努力家なんかじゃない。どうにか楽して生きたいし、暇さえあればゲームばかりしていた。勉強も正直そんなに好きじゃないから、テストの類いはコツコツ勉強