東日本大震災以降、防災意識が高まっている。地球上で起こる地震の10%が日本およびその周辺で発生しているとされるこの地震大国に暮らす以上、避けては通れない課題だ。防災科学技術研究所が2012年10月に発表した最新分析データによると、日本の人口の3割にあたる3800万人が、地震の際に揺れやすい軟弱な地盤の上に居住しているという。 いま自分が暮らしているこの町は大丈夫だろうか? そこで読んでおきたいのが『地名は災害を警告する―由来を知り わが身を守る』(遠藤宏之/技術評論社)だ。日本は昔から震災や津波、洪水の水害に見舞われてきたわけだが、自然災害は土地の性質に依存し、歴史的に見ても同じ場所で繰り返し起きている。そうした過去の災害の記憶は地名に残されていることが多いという。 たとえば川をはさんで同じ町名があった場合、それは洪水によって分断された水害地域だったことがわかる。また、「梅」が付く地名は、